ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳131:君僕主たちと指揮官たちと
08/12 16:20
「自由に生きなさい」苗字さんは俺たちを見て優しくそう言った。武器は持たなくてもいい。好きなことをしていい。普通の人として生きていい、と。俺は困った。だって、染み付いているからだ。それは多分ラピ達も同じだ。それ以外という選択肢がなかったのである。恐らくはーーアンダーソン副司令もそうだと思う。
「それ以外がわからないなら、色々体験してみるといい」
彼女はそう言って頭をポンと撫でた。大人だ,と思った。俺の方が精神年齢が上かと思ったが、そうじゃ無い。近くにいたサチさんもうんうんと何度も頷く。
「そうそう!ここでは、戦場だけが人生じゃないんだから、色々やってみて、やりたいこと見つけていこ!」
私も手伝うよ!と彼女はラピ達の手を握って告げる。まぁ、二人はかなり戸惑っていたようだが。
「まぁ、仕事をしてもらうにも情勢を知ってもらうだか思い出してもらってからだな」
それはそう。
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「苗字達とちょっとした旅行に行くが、お前たちも一緒にくるか?」
七志の言葉に俺たちは目を瞬く。邪魔じゃ無いのか?と聞けば、別に今更人が何人か増えてもいいと思う、と近くにいたセツから返答がきた。ならみんな暇を持て余してるし行くか、と返答をする。
「何処で?」
「まぁ……ある意味プライベートビーチだな」
「俺姉御に言ってくる」
と、セツが立ち去った。しばらくして、許可もらった〜と言ってへらりとわらったセツに、七志は日程を教えてくれる。直近すぎて笑う。そうして翌日である。苗字さんとサチさん、あとは知らない男性がきた。アンダーソンとは違うようにイケメンでだ。
「ラピ達はいるか?」
「いる、今ちょうど荷造りしてて……」
「あぁ、なら丁度いい。海だから水着を買っておいた方がいいと思って」
苗字さんの言葉に、水着……という。よく考えれば、それはそうだ。イケメンをみれば、苗字さんはそちらをみた。
「彼はアダムスカ。荷物持ち兼君とアンダーソンの付き添い。君たちも買っといた方がいい。巻き込まれるかもしれないし」
何に、と聞いていいんだろうか、これは。アダムスカと呼ばれた彼をみれば、肩をすくめた。俺が誰かと話しているのをみたラピやアニタ達がやってくる。
「あれ、ナマエさんじゃん」
「いかがされましたか?」
「ラピ、アニタ、水着買いに行こう。アンダーソンも。せっかくの海だからな」
「しかし……」
「大丈夫大丈夫、ナマエちゃん可愛い子ちゃんと美人とハンサムを甘やかしたいだけだから」
サチさんの言葉に苗字さんは「確かに、そうともいうな」と頷く。ハンサム、と俺達はアダムスカさんをみる。視線をおった彼女は俺たちをみた。
「アダムスカも可愛い枠だ」
「ヘイティ、それはいささか無理があると思いますが。あと、そういうのは貴方が10代の頃の私を見てるからです」
彼の説明に、ヘイティは首を傾げた。
「そうか?」
「そうです。俺は大人ですよ」
「まぁ、そうだな。でも君はルピやアニタ、妹達とは違う感じで可愛い」
サラッと笑いながら彼の頭を撫でた苗字さんに、彼は口籠る。すすす、とやってきたサチさんが口を開く。
「アダムスカさん、ナマエちゃんに頭上がらないから。あとあれは満更でもない顔」
「…[聞こえてるぞ、Dr.サチ。初対面の相手に変なことを吹き込むのはよせ」
「あぁ、そうか、初対面だった。彼はアダムスカ。私の長い付き合いの友人の一人」
「彼氏ではなく?」
「恐ろしいことを言わないでくれ。アダムスカだ。彼女の友人の一人だ」
そう言って手を差し出した彼に、まぁ俺も名乗って握手しておく。アンダーソン達も握手したが。
「今日の食事はアダムスカの奢りかな」
「また貴方はーー」
「ダメか?」
「……。……、今回だけです」
「冗談だよ、アダムスカ。車を動かしてくれるだけで万々歳だ」
彼女はケラケラ笑ってアダムスカの肩をたたいて、行こう、と告げる。俺たちはサチさんをみる。彼女はナマエちゃんに対してあれが通常運転、通常運転、と告げた。
「あの対応はナマエちゃんともう一人だけだから」
その意味がわかったのは、まぁ彼女達が離れてから会話してからだ。のらりくらりとしているというか、掴みどころがないというのか。ナマエさんに対して忠犬と聞いていたが、確かにそんな感じのイメージをうける。
「Mr.アダムスカは何処かの軍出身か?」
「よくわかったな。だが、そういうお前たちだってそうじゃ無いか?」
アンダーソンの言葉を一つ返事で肯定した彼に俺は目を瞬く。そんなにすぐわかるのだろうか、と思ってれば、彼は「その反応はやめた方がいい」と返す。
「詮索はしないし、彼女が違う場所と言っていたから俺たちが知る場所では無いから聞きはしないが。その反応は自分はいた場所で軍に関わっていましたと言ってるようなものだ」
彼は肩をすくめて口を開く。
「ーー何か問題が?」
「我々のような存在は狙われやすい。軍にいたかと聞かれた時は、彼女の身内以外には警備会社の合宿に参加していたくらいだと濁しておけ」
なるほど。よくわからないが覚えておいた方が良さそうだ。
「あともう一つ」
「もう一つ?」
「彼女に手を出すと手痛いカウンターがくるぞ。俺を含めて」
彼の言葉に俺たちは目を瞬く。それはどういう意味で。
ーーまぁ、その答えはサチさんに聞くのだが。
「なんていうか、ナマエちゃんってカリスマがすごくてね。まぁ彼女の相棒と一緒なんだけど。信者的な人もいるから、ナマエちゃんをどっかの組織に売ったりすんなよ、対立はしないように気をつけなよってことだとは思う。あくまであのあたりナマエちゃんがいるからうまく回ってる感がするから」
「と、いうと?」
「まぁ、そのうちわかると思う」
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「おっしゃあ!!騙し討ち成功!!」
セツがそう言って俺の背中を叩く。騙し討ち、と繰り返した俺たちだ。ニケとアンダーソンの視線が俺に向く。俺は何にも聞いていなくてセツを見上げた。
「は?」
「ようこそ、シキ、地獄のブートキャンプへ」
説明をするように七志がタバコに火をつけながら告げる。様になってんのが腹が立つな。
「……は?」
「いやお前、体鈍らすだろ?」
「いや別によくないか?」
「よくない。女子と一部の男は普通に遊ぶサマーキャンプ、俺たちはそれを横目にブートキャンプ」
そう言ったセツに七志をみる。七志はタバコの煙を吐き出しながら口を開いた。
「指揮官様の実力を見せてみろ」
俺はアンダーソンをみあげてーー副司令の腕を掴んだ。こいつらの換算にアンダーソンが入ってない気がする。
「残念ー、今回はアンダーソンのにーちゃんは女子組でーす」
セツがそう言って俺の手を外す。七志がアンダーソンに声をかけた。
「アンタは病み上がり、ということになってるからあっちでいい。自分でトレーニングもしてるようだしな。コイツは最近怠けてるから連れて行く」
「怠けてねー!!普通に生きてんだけど!うわっ!!」
「贅肉を削ぎ落とせ〜!」
俺をかついでスッタカタッタッターと走り出したセツは、近くにいた男性に声をかける。
「ジョンさん、一人追加ー」
「いいのか?きついぞ」
「いい、しごいてくれ」
そんな会話をしているなか、アンダーソンやニケ達をみれば、苗字さんやサチさん達が話しかけているのが見えたのだが。
「女の子に守られるだけじゃなくて、ちょっとした対人間程度なら自分でちょっとは対処できるようにしておこうな〜、新入りぃ」
セツがポーいと俺を投げる。砂浜でも痛いのは痛いわ、こんちくしょう!!
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「海ははじめてか?」
そう尋ねれば、ラピは「本物の海ははじめてです」と告げる。
「ラピちゃん達、海はじめてなの!?ライクがとっておきの楽しみ方教えてあげる!」
「アマナもー!」
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無理。体力が持たない。そう思っていれば、目があったアンダーソンには笑顔を決められた。腹立つ。アニタは笑ってるし、ラピは子供と遊んでそもそもこっちをみてない。
「アンダーソン副司令も入れるべきでは……」
俺が恨みがましく言えば、ジョンさんはアンダーソン副司令?と返す。まぁアダムスカさんにはため息をつかれたが。うっ。いやこれはウッカリだ。アダムスカさんは肩をすくめてから俺を見た。
「あの男が副司令、か。声も似ているし誰かさんと一緒だな」
そう言ったアダムスカさんに金髪の男性が羨望の眼差しをむける。
「なんでアイツはあっちにいるんだ……」
金髪の男性がそう告げる。うわっ、マジで似てる声。そう思っていれば、近くにいたヨナサンさんが口を開く。
「彼は病み上がりだと聞いた」
「いや普通に動けてますよあの人!」
俺はそう言って起き上がる。あの人普通にジョギングとか色々楽しんでるんだよ、元気な体でな!!!
「嫌だ」
苗字さんがそうはっきりと告げる。ジョンと呼ばれる赤眼の彼が眉間に皺をよせた。
「嫌だってなんだ、嫌だって」
「アンダーソン達は初めての海なんだぞ。楽しませてやってもいいだろう。妹達も遊んでくれるお姉さんが増えて嬉しい、アンは癒しだ。オタコンとジョージは保護者をしてくれるし、アンダーソンは力があるから私も助かる。だから嫌だ」
ノーと言ったナマエさんに、俺は……?と聞けば、シキはセツと七志の管轄だから,とサラッと言われた。無口で美人な女性が現れて、しっしっと追い払っている。
「嫌だー、アンダーソン副司令も連れて行きます」
俺はアンダーソンの腕を掴む。ナマエさんさため息をついてーーアンダーソン、体験してくるか?と尋ねた。
「ええ、ぜひ」
「病み上がりならほどほどにな。何かあればヨナサンに言えばいい。彼はああ見えて医者だ」
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「マイガール、悪いんだけど人員が足りなくてね。参加してくれるかい?」
そう言ってヘイティさんがナマエちゃんを呼びに来た。ナマエちゃんはアマナちゃんと砂の城を作っている手をとめて、いいよ、とうなずいた。
「あれ、ナマエちゃん呼び出されるってことはもうフラッグ?」
「いやちょっとした遊びだよ。
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