ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳135;君僕主がにけ
08/12 16:23
同じであるという確証はない。恐らくジョンにとって私は同じ姿をしたナニカでしかない。生理的に彼は拒むであろうことはわかっている。人である私はザボスの代わりに終わりを迎えーー人でない何かとして私はまた生まれたのだ。ーーきっと君は私を忌み嫌うだろう。そうして君は憤るのだ。私を作り上げた周りに。
ぶくぶくと空気が浮かんでいく。培養液のような中で、私はただ目の前を見つめる。実験体の一人には違いない。誰かは私をその作り上げた違う世界の技術を評し、ニケと呼ぶ。誰かは私を実験体とよび、また違う誰かはイカれた売国奴とよんだ。その全てはただしい。こぽこぽと、空気が上がっていく。私は今日も忙しなく動く彼らを見つめることしかできない。彼らの共有された情報として、私の意識はないことになっている。
「ニケ」
うっとりとしたように誰かが告げる。オーバーテクノロジーでも実験してよかった、と誰かが告げる。
「君だけが成功だ」
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目の前にいるのはジャックだろうか。彼は私を見上げると、ただただ唖然としていた。ナマエ、と微かに動いた唇を見下ろす。
「素晴らしいだろう、ビッグボス」
誰かはジャックにそう告げる。ジャックは振り返って銃を構えた。誰かは気にも止めないで、その隣に並んで私を見上げた。
「これは唯一の成功品だ」
「……趣味が悪い。死体を飾って何になる?」
「死体だなんて」
誰かはジャックをみる。ジャックは答える。
「いいや、死体だ!コイツは死んだ」
「あなたに殺されて?」
誰かはそう言って笑う。ジャックは息を飲んでーー、何がおかしい!と叫ぶようにつげた。
「これは生きている」
誰かはジャックを無視して私を見上げた。コポコポと、空気がまた上がる。
「気泡が上がるだろう?彼女は呼吸しているということだ。」
「そんなはずが、」
「生きているんだよ。いや、実験の結果、蘇った、が正しいか」
「そんなもの、冒涜だ!」
ジャックはそう言って叫んだ。
「コイツへの冒涜だ!コイツは死んだ!死んだものを蘇らせるなんて、許されることじゃない!」
「貴方は忙しいな。嫌いな相手を冒涜したって別にいいじゃないか」
「それは、!」
「まぁ、貴方がまた殺したいのであれば話は別だが?そこに拳銃がある。彼女をころしたいのならそれで殺せばいい。彼女は抵抗なく死ぬさ」
彼はそう言ってジャックを見つめた。ジャックの息が荒い。
「私を殺したっていい。私を殺せば、管理されない彼女は弱って死ぬだろう」
誰かの言葉に、ジャックは恐る恐る私を見上げた。私は薄く開いた瞼の間から彼を見つめた。別にそうだっていい。彼に殺されてもいい。だから、私は笑みを浮かべた。
「それとも彼女を連れて行くかい?ビッグボス」
もうアメリカからは離れたんだろう?
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はじめは遠巻きだったのに、少しずつ彼は近づいてくる。ナマエ、と呼ばれた声に私は瞼を薄く開けてそちらを見た。
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