ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳136:君僕主小ネタ

08/12 16:24 

「可愛い……」
ナマエちゃんの一言である。何かの拍子に縮んだ三兄弟(双子+1)への台詞だ。可愛い?どこが、とマジトーンで返したジョンさんをおいて、ナマエちゃんは三人まとめてーーというか七志くんやら私も含めてハグをした。私はきゃーっ!と声をあげてしまう。無理無理、流石に六人くらいまとめては無理!
「可愛い。ライクとアマナと一緒にしまっとくしかない」
「クソガキですよ」
と言ったオセロットさんも若い。ナマエちゃんはそれに気づいて、アダムスカも可愛い!と告げた。可愛いの範囲が異常だろこの女とはイーライさんの台詞である。言われた本人は普通を装ってるが、ちょっとだけ耳が赤い。なるほど。



=°没



多分面白くないんだろうな、と客観的に思う。養父のおかげで外れた世界で、養父と彼女の付き合いから出会って、双方彼女を通して知り合ったといえる。かたや、まぁ可愛い弟分。かたや、まぁ相棒枠。鉢合わせるのは初めてだろう。私が片方と過ごしていれば、片方がつまらなさそうに邪魔をするのだ。年上のジョンがアダムを虐めるのは如何かと思って間に入った、ら、ジョンがすねる。かと言って逆をしてもそうだ。
「はいはい、二人とも可愛いから喧嘩しないでくれ」
そう言えば、可愛いじゃない、と叱られる。仕方ない。キメ顔で可愛いだろ、と言えば二人が押し黙った。好きだなこの二人、私のこの顔。



==没



彼は彼であるのだが、彼じゃない。こちらを熱っぽく見つめた彼に、私はなんとも言えなくなった。視線が交わり、距離を縮める。私は嘲笑うのだ、自分自身を。
彼は自分が知らない誰かを妬む。それが自分自身だとは知らないで。ただ私は彼の半身を切り裂かれた痛みを、違うものではあるが同じ断面である私で埋めた。運命の相手を同じ断面のオレンジだという国もあるが、私たちは歪なオレンジに違いなかった。同じ品種じゃない。まるで違う品種のオレンジが、たまたま切り口が同じだったから、一つに合わさっただけの。いつかそこから腐り落ちるのだろう。かぷり、と肩を噛まれる。本気で噛まれたらしい。なかなか痛かった。
「余裕だな」
暗にこの男はこう言いたいのだ。他の男を考えているのだろうと。それなら考えられず、自分をただ求めさせたらいい、と。この世界では年の差があった。経験の差も恐らくはあるだろう。私はきっと快楽に沈む。そうして、同じ名を呼ぶのだ。ジョン、と。


あぁ、閉じ込められたな、とおもう。道はなかった。彼と違う道を行こうとすれば、彼はとめた。それを許さないというふうに、ある意味暴力的に。そうして泣いて縋るのだ、どこにも行くな、と。そうなってしまえば、私には逃げ道はなかった。あの時は覚悟もあった。未来への杞憂もあった。あの時は置いて行けた。最後にはジャックが冷たい目をしていたから。それが今はどうだ。彼は縋る。あの時のように。どこにも行かないでくれと願うのだ。お前だけは、と。それはあちらの少佐のセリフのような気がするが。私は見つめる。彼が作り上げた組織を。もうすぐで崩壊してしまうその組織を。
「ナマエはどこでボスと知り合ったの?」
そう問いかけたパスに、私は肩をすくめる。戦場だ、と答えれば彼女は「ふうん」と答えた。
「羨ましい」
「どこが?」
「だって、ボスのそばにいるでしょう?」
彼女の言葉に私は彼女の頭に手をおいた。
「変わってあげようか」
彼女は私の言葉に息を詰めた。ああ、これは鎌かけに似た何かなのだ。いけない、そんな反応は。
「……きっとボスもたまには違う美女がいた方がいいんじゃないか?」
そう言って私はケラケラ笑う。彼女は揶揄われていると理解して、もう!ともっともらしい怒り方をした。
「パシリカ」
「なに」
「苦しくなったら助けを求めなさい」
あなたにだって、幸せに生きる権利はある。

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