ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳161:君僕主たちとジョン達と

08/12 16:43 

感動の対面じゃないか、とは誰の言葉だっただろうか。それは正しくナマエ先生とアメリカ支部のことを言うんだろう。亡命先に核を撃ったイカれた売国奴、とは誰に吹き込まれた言葉なんだろうか。ナマエ先生は悠々と、詳しいですね、と告げて肩をすくめた。
「Mr.、そう囃し立てなくとも私はあの世界での自分の評価はわかっています。余計な火種になることもね。日本支部とアメリカ支部、しいては他の支部との関係が拗れる可能性がある。だからこそ隠れていたかったのですが……」
彼女はそう言ってじっと相手を見た。相手は鼻で笑った。
「お前に機会を与えてやってるんだ」
「機会?」
「アメリカ支部の奴らを殺す機会だ」
相手はそう言ってナマエ先生をみた。ナマエ先生はその言葉に目を伏せる。
「そう」
「お前は憎いはずだ、対が、お前とは違い、評価された対が、英雄として持て囃されーー堕ちてなお持て囃され続けた男が」
彼は何もわかってない。私たちはそう思う。でも、恐らく他の支部はそうじゃない。
「世界に狂乱を招こうじゃないか」
そう嗤ったあいては彼女に銃を渡す。さぁ、うてという。今度はお前の番だ、と。彼女は銃と弾を確認してーーアメリカ支部にいるジョン、もしくはボスと呼ばれる隻眼の彼を見た。彼は息を詰める。彼女は銃を彼に構えた。無表情で。そうして引き金をひく、と誰しもが思った瞬間、それを後ろ斜めにずらした。跳ねた弾はそのままナマエ先生に話かけていた相手にあたる。まぁ、掠っただけだけど。
「へたくそが」
「ああ、すまない、狙い通りだったんだが、わかりにくかっただろうか」
ナマエ先生はそう言って銃口をジョンと呼ばれる彼から、騒いでいる相手にむけた。
「何して」
「貴方が言った評価だろう?私は狂ってるんだ」
ターン、と、音が鳴る。銃弾は彼の太物にかすった。
「いまだにあの日の夢を見る。正解だと思ってそうした。でもそれが不正解だったと私は周りの言葉を聞いて理解した」
そのまま彼をまた撃った。彼の腕ギリギリだ。また、空の薬莢がおちる。
「私がいなくとも彼の、彼の周りの世界は同じ周り方をする、と、思ったのが誤りだった。最後にあんな言葉を吐いたのも酷い間違いだ」
「ひぃ」
ターン、ターン、と空の薬莢が落ちる音だけが小気味よく響いた。その度に男の体に傷は増えていくのだ。
「同じミスを繰り返すくらいなら会わないでおこうと思っていたのに、貴方がこんなことを起こすから」
彼女の銃口が彼の頭を狙う。珍しく、とても冷たい目で。
「お前のせいで人生計画が狂った。私も万人に優しい小児科医でいたかったんだがな」
そうして最後の一発を撃つ。まぁ、彼の顔スレスレに着弾して、相手は失禁した上で失神したけど。彼女は丁寧にハンドガンを分解して投げた。
「博士、無事か?」
そう言って私に声をかけるころにはいつものナマエ先生である。私はホッといきをはいて、「無事です」と手を上げた。
「そろそろ他も制圧されるだろう」
「誰かきてるの?」
「外で待機がカゲツ、クラウディアさんとラフメイカー、桜が制圧してる」
彼女はそう言って時計を見た。扉が蹴り破られて、クラウディアさんがやってきたが。
「やぁ、マイガール、お嬢さんともども無事かい?」
「ええ」
「おや、汚いものが落ちてるね。処分しようか?」
「しなくていいです。この事態を引き起こした張本人です。万人に平等な法のもと、裁かせます」
セツくんが顔を出す。
「姉御ー、こっちも制圧したー!スタンガンだから目覚ますけど、まぁ丁寧に親指固定したからしばらくは大丈夫だと思う」
「そうか、ご苦労。悪かったな」
「たまにはこう言うことしとかないと、なーまーるー」
そう言ってラフメーカーことセツくんが腕をぐるぐるまわす。
「桜は?」
と、ナマエ先生が尋ねれば桜くんも現れた。
「こちらに。貴方はカゲツと職場に戻ってください。ガキどもが貴方を待ってる。後処理はこちらで」
「わかった、悪いが任せよう」
「いってらっしゃい、マイガール。やんちゃな子供には気をつけるんだよ」
そう言ってヘイティさんがひらりと手を振る。セツくんがナマエ先生についていき、彼女達が曲がり角に消えたのを見てーーヘイティさんは彼らを見た。表情を消して。
「ヘイト」
「久しいね、喜び。元気そうでよかったよ」
そう言った彼はまた元に戻る。それをみて、喜びと呼ばれた彼女は困った顔をして彼を見た。
「……貴方もね」
「僕は元気だ。昔通りあの子と暮らしている。でもーー君たちには関係ない話だ」
「……」
彼の言葉に彼女は黙る。彼は失神している男をみる。
「君の教え子が目立てば目立つほど、あの子にこう言う変な奴がやってくる。僕らはそれを危惧していたが、想像よりもね。僕はあの子の父親だ。血は繋がってなくとも。今度はーー今度は僕が守ってみせるさ」
彼はそう言って、無表情で彼女達をみた。
「これは君だから言う最大の譲歩だ。金輪際、あの子に近づかないでくれないか」
「ヘイティ」
桜くんが彼を止めるように名を呼ぶ。しかしながら、彼はそれを聞いていないかのように言葉を続ける。
「あの子を悪役に仕立て上げることでしか面子を保てなかった国が。あの子を殺した国が。あの子を謀った国が。僕は大嫌いだからさ。特に君の弟子とあの時の長官だった男だ。僕たちの目の前に現れてみろ、殺すぞ」
「ヘイティ」
そう言って桜くんがヘイティさんの肩を掴む。そこでようやくヘイティさんは桜くんをみた。
「彼女から貴方も一緒に、という連絡がとんできました。カバーストーリー等、後の処理は私がします。貴方も彼女を追って任務地に戻ってください。お嬢さんは私が連れて行きます」
「……そうだね、任せよう」
ヘイティさんが立ち去れば、桜くんがため息をついた。
「申し訳ありません。彼は彼女がこのような場所に出てきてしまったことに些か気が立っています」
「いえ……いいの」
桜くんの言葉に彼女は首を左右にふった。
「申し訳ありませんが、本題に入らせていただきます。俺たちも戻らなければならないので。本来であれば、アメリカ支部ヨーロッパ支部と共に緻密なカバーストーリーを作るために残るべきなのですが」
桜くんはそう言って口を開く。
「共有していただきたいのは、ここに、ナマエ医師含む私たちは来ていなかった、と言うことです。我々の国は戦う武力を持ってはいけない。それはたとえ政府の管轄外である日本支部も同じことです。我々はある意味問題児、ですのでこの行動は国内からも問題視されます」
「わかったわ」
「彼女が使った拳銃の処分はあなた方に任せます。我々は持ち帰ることも違法ですから。監視カメラなどはこちらがうまくやります。あとはお好きに」
彼はそう言って、私をて招く。私はとりあえず近くにいった。
先に行くように言われたので先に行けば、彼は振り返る。
「液体の蛇を名乗った青年はお元気にされていますか?」
「ーーあぁ、面倒なほどに」
「連絡を入れるようにお伝えください。昔の回線をとってある、と」
「……」
「まぁ、その時に貴方からの伝言をお聞きすることくらいはできるでしょう」
彼はそう言って肩をすくめた。
「いいのか?」
「俺は禁じられていませんから。それに





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