ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳163:君僕主(大人版)はやってくる

08/12 16:44 

「えっ、知らないのかツバメ先生」
そう言ったジャックに、彼らはツバメ先生?と首を傾げる。ああー、やっぱり先生基本アメリカ支部と関わりないんだな、と理解する。まぁ、あの人の対もいるし。この世界で様子を見るとあってないみたいだし。かつてソリッドスネークと呼ばれた少し年上の男性が口を開く。
「誰だそのツバメ先生って」
「小児科医で心理カウンセラーでもあるんだ。基本的に戦争孤児や少年兵、俺たちみたいな記憶持ち問題児の主治医になる」
と告げたジャックに、俺もうむうむと頷いた。確かに俺たちは問題児である。いやぁ、先生にたまにカウンターくらったりはしたが、まぁそれで落ち着いた気はする。それは先生達と一緒にいた子供達は全員そうだ。先生の元で落ち着きがらきちんと教育をうけたあと、他の支部に行ったり普通に働いたりするのである。まぁ、基本的に先生と関わりがあるのは、もとは先生と関わりがあったヨハンの兄ちゃんがいるヨーロッパ支部、同じく後輩がいる中国支部、ついでに先生が属している日本支部だけっぽいのだ。
「エイハブは会ったことあるか?」
「いや……だが、同業から話は聞いたことがある。ツバメのように世界を飛び回っている医者がいるとか……」
それは正しい評価である。デイヴィッドさんは口を開く。
「アンタも忙しなく飛んでってるんだから、鉢合わせそうなのにな」
「いや、本当になぁ」
俺はうむうむと頷く。いや多分先生の父親ーズがその辺りを手配してるんだとは思うが。


それがさー、こんな機会になると思わねぇじゃん?まじで。まぁーーヨーロッパ支部の奴らと?我らがアメリカ支部の奴らと?技術職が捕まっている今である。マジでこんなことなるとは思わないじゃん?と、俺は不貞腐れてみる。こうなると最後、誰が来るかなんてわかっている。となりにいる日本支部出身のお嬢さんが、あっ、と小さく声を漏らした。長い演説を聞き流して、彼女の視線を追えば監視カメラの映像である。ひとつのカメラの人が曲がり角にきえた。曲がったんじゃなくあれは拉致されたんだと思う。よくよく見れば繰り返しの映像になってるカメラがいくつかある。さて、こんな芸当を得意とするのは蛇一家なわけだが、それは向こうも警戒して全員とらえてるわけで。と、なると、そんなことができるのは我らがツバメ先生である。ゆっくりとそいつらの背後、その天井にあるダクトの金網が音も立てずに外される。そうしてーー彼女が器用に上半身だけ乗り出すと、拳銃で素早く演説していた男をうった。プス、と言う音、男がぐらりと傾いたのをみてその周りは異常を察知したがーー時すでに遅し、と言うわけだ。他数人は眠らされーー着地した彼女に周りは彼女に銃を向けようとしたが、彼女の制圧の方が早かった。しゃがみ込んだ彼女はそのまま蹴りを顎にいれーーふっ飛ばす。二人を巻き込んだそれに彼女はそれを飛び台にして、反対側に蹴りをいれた。近くにいた男を盾にして、他を早撃で撃沈させる。そうして盾にしていた男ももれなく投げられーー無線機を取ろうとした面子はもれなくおやすみグッナイである。彼女は軽く手を払うと俺たちをみて人数を数えた。そうして耳元に手をかざす。ええ、全員揃っています、と告げた彼女は、かすかに動いた人にもう一発銃弾を打ち込んだ。
「大丈夫か?」
はーー!!
「かっけーー!!」
「こら、セツ、静かにしなさい。お口にチャック」
そう言ってジェスチャーした彼女に俺はお口にチャックする。そうして通信を終えた彼女は俺たちをみた。
「全員無事だな。何かトラップは?」
「ない、と思われる」
「先にコイツらを武装解除する。少し待って欲しい」
彼女はそういうと、テキパキと武装を剥いだ。あとは音からして結束バンドで親指を固定してると思われる。そうして一箇所に集めると、手をまた叩く。持っていたと思われる鍵で、近くにいたヨハン兄ちゃんの手枷を外した。
「なんでアンタがここに」
「古いお友達に頼まれたんだ」
彼女はそう言って鍵を彼に渡した。
「古いお友達?」
「ハンガリー人のな。で、たまたま帰投の進路途中だから寄った」
彼女はそう言って装備を整えていく。
「つまり、ノンオフィシャルだ。周りの説得他うまくしといてくれ」
「は?」
「悪いな、ヨーロッパ支部だけなら目を瞑ってもらえるが、アメリカ支部がいると周りがうるさいんだ」
そうして彼女は机の上に登ると、そのままダクトの縁をつかみ、器用にくるりと回ってそこにはいった。上半身だけ覗かせた彼女は口を開く。
「まぁ医療コンテナ船に運ぶことくらいは許されるだろう。ポイントにヘリを待機させておく。使えそうな装備は置いといてやる」
彼女はそう言って金網をいれかけてーーお口にチャック解除、と告げてから金網を元通りにしていなくなった。ヨハン兄ちゃんはため息をついて俺たちを解放していく。ジョンと呼ばれる隻眼の彼は彼女が消えたダクトを見つめてーーすぐに指示を出し始めたのだが。


==


マジで帰投ポイントにヘリついてた。カゲツさんなのをみると、ガチで先生仕事帰りっぽいなー、と、ついた医療コンテナ船、という名の病院船で俺は大きく伸びをする。医者や看護師達がもう待機していて、白衣を着た先生が子供達と一緒にそこに立っていた。俺は嬢ちゃんと一緒に窓に張り付いてみる。先に降りた彼がーーまるで夢の中にいるかのように彼女に向かって歩いていく。
「ーー」
ヘリの羽の音で聞こえない。ただ二人は何か会話をしてーー、彼は先生を抱擁した。俺と嬢ちゃんにとっては感動ものであるがーー周りには違ったらしい。めちゃくちゃ騒然としたからだ。彼女は仕方ないと言うふうに彼をはなして、指示を出し始める。そのまま立ち去ろうとした彼女の手を引いた彼は、まるで迷子の子供が親を見つけたような雰囲気をだしていた。




category:君僕主if(mgs /+ヨルムン/+にけ/+AC/+逆)