ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳178:君僕主たち(if展開)

08/12 16:56 
きっとあれは実験だったんだろうな、と、私は思う。
私たちの年は飛び抜けて低いし、実践経験もほとんどないと言っていい。でも、こんな成績を残せているのは私たちに宿った記憶のせいとも言えた。それに関わった人は私たちを非検体とは言わなかった。けれども、私たちを選ばれた人間とは言った。その意味はよくわからなかったけれど、私達のように記憶に適応できずに狂った人間がいたことは知っている。
私たちは現実にない記憶を持って、現実を生きている。多くの平凡な人間が送る生活ではなくーーこの戦場で。
ーーでも、それが現実にはない記憶だと証明できないものがある。私たちが持っていた持ち物だ。ある人はドッグタグ、ある人は刀、ある人はかんざし、私はもらったネックレス。
そうして彼女は指輪だった。人懐っこく笑う彼女に、お人好しな彼女に、頼もしい彼女に、誰しもが信頼をよせている。それは私たちの隊以外の人間もそうだ。反発的だった人も多かったのに、いつの間にか彼女を慕っている。その姿をみて、私はネックレスを送ってくれた人を思い出す。いや、彼女の素質は彼より彼の父親かもしれないけども。




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