ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳180:君僕主たち(if)がif現パロな基地に来る
08/12 16:57
「いやに決まってるだろ」
そう言ったヘイティさんに私たちは彼を見る。いつもより明るい声色だと思ったら、常に無表情の彼が眉間に皺をよせていた。ジョイと呼ばれる彼女は「そう」と相槌をうった。
「そうだ。いやに決まってる」
「でも連れてくるのね?」
「仕方ないだろう?あの子の母親はフランスの方に行くし、実の父親なんてジュネーブで会議ばっかりだ。だから僕が面倒を見るしかないんだ」
「だから連れてくる?」
「そうだ。君たちに会わせるためじゃない。あの子を一人きりにすると知らない奴が声をかけてくるから連れてくるんだ」
「会ってしまうわね」
ふふ、と、笑った彼女に、彼はわかりやすく口をへの字にした。
「あの子は覚えてないんだよ、ジョイ」
「ええ、貴方から聞いた。でも会わないよりはマシでしょう」
彼女の言葉に彼はまた口をへの字にして、眉尻を下げる。様子を見ていた彼らの同世代が、ヘイティが表情豊かだ、と笑ったが。それからしばらくして、あの鬼教官の娘がくるらしいという噂が流れ始める。それが。その人が。
「ナマエちゃんだとは思わないんだよなぁ」
私はそう言ってヘイティさんが連れてきた彼女をみる。わたしの四つ上の先輩である。病院で仲良くなった彼女は今大学生のはずだ。セツくんなんかも多分大喜びするだろう。出迎えた軍人っぽい彼らに彼女は少し困っているようだが、わたしに気づいたらしい。手を振れば笑って手を振りかえしてくれる。うーん、可愛い。それにしてもあの鬼教官と名高いヘイティの娘がナマエちゃんだとは。世間って狭いなぁ。まぁそのまま子供がいる寄宿舎に案内されてたあたり、ボランティアとしてきたのかもしれない。セツくんが喜ぶ顔が目に浮かぶ。
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「こっちには姉御がいるんだからなーー!!!」
と、イーッ!とするセツくんに、名前を挙げられたナマエちゃんがエッと声を上げた。周りに好きなようにさせつつ、読書中だったんだろう。あまり人になつかない雷電(ジャック)達子供兵組がナマエちゃんのそばにいる。対するデイヴィッド達は「はいはい」と流している。
「姉御ー、こんなやつらやっちまえー!」
「こら、そんな言葉何で覚えたんだ」
ナマエちゃんはそう言って、セツくんのほっぺたをムニっと伸ばした。いたーい、とすぐに眉尻をさげたセツくんに、ナマエちゃんはしばらく頬をムニムニと伸ばす。
「年上には丁寧に話す」
「姉御ぉ、あんな人達、ぶちのめしてくださいよォ」
そのセリフに彼女はふふと笑って手を離す。しおしおの表情が可愛かったらしい。それにしても、ぶちのめすはセーフなのかと思ったら、嫌だ、とはっきり答えていた。
「えーー!!!丁寧にお願いした!!」
「お願いはされたが聞くとは言ってない」
彼女はセツくんの額にデコピンを落として、本にめをうつす。セツくんがまぁ本を取り上げてーーポイっと投げたが。
「こら、本は雑に扱わない」
「姉御が言うこと聞いてくれないからだろ!」
スイッチが入った彼に、まわりが防ごうとしたが、ナマエちゃんは軽く両手を拘束する。足が空いてるが、それも防いだ。
「言うことを聞いてくれないからと暴力に走るのは良くない。言葉で言いなさい。私たちには言葉がある」
その言葉に、セツくんはわたしによくわからない言葉でわめく。それをまた違う言葉で返した彼女は最終的にーーセツくんを抱き上げた。ライオンキングみたいな感じで、と思ったらナマエちゃんがなーすごんやーと良い発音で歌ったあたりまさにそれだ。きょとん、としていたセツくんが、自分が置かれている状況を理解したらしい。
「俺、シンバじゃねーーー!!!」
「そう?」
「そう!!」
「選ばれし子供じゃない?」
「わかんねーー!!」
ナマエちゃんはキャハハと笑っているセツくんをおろす。さっきまでの様子はなんだったのか、もう一回!と頼むセツくんにナマエちゃんはまた抱き上げる。雷電がナマエちゃんにおぶさったが。ちょっとよろめきはするが耐える彼女は流石である。そのまま彼女は子供を引き連れて部屋を出た。
「意外に鍛えてるのか……」
「デイヴィッド」
「何も言ってないだろう」
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場違いな気がする。子供と遊ぶのはいいが、どう見ても軍用地だ。ここでインターンしているサチちゃんはとにかく、父親が働いているからと言って私みたいな一般人が泊まっていいのかな?と思う。流石に危ない場所は入らないようにしているが。
さて、自分にあてがわれた部屋に行こうとすれば、その建物の前にいるのは犬である。まだこっちに気づいていない。が、わたしは犬は苦手だ。というよりは、はっきり言って怖い。いつもならできるだけ遠回りして戻るくらいには。しかしながら、私はその先に行きたいわけで。回り道はあるんだろうかと考えてみたが、ないわけで。どうしようか、少し後ろに下がって考える。気づいてないなら行けるか……?と思ったが、犬がこちらを向いた。リードで繋がれているために来ないことはわかっているが、今にもこちらに走ってきそうだ。……。
「大丈夫か?」
上から声が降ってきたので、そちらを見上げる。窓枠から誰かがこちらを見下ろしていた。多分服装からしてここの職員だろう。
「さっきからそこで止まってるが」
見られていたらしい。わたしは顔を覆う。恥ずかしい。私は困った顔をして、犬をみてから、大丈夫ではないです……と正直に白状する。彼は「そっちに行くから待ってろ」と告げて窓枠近くから消えた。数人が残っているのをみると、仕事で話している途中だったのかもしれない。申し訳ないことをしてしまっま。降りてきた彼は、「犬が苦手なのか」と笑って告げた。
「はい、どうも苦手で……」
「災難だったな、D Dは普段別の場所にいることが多いが今日はここらしい」
「 D D?」
「あの犬の名前だ」
その言葉にもう一度犬を見る。……やっぱりこちらを完璧に見ている。
「……すいません、お話中だったのに……」
「いや、雑談だから気にしなくていい」
彼はそう言って笑う。
「一緒に行けば大丈夫そうか?」
「ま、まえにいていただければ」
そう言えば彼はまた笑う。私は彼に断って、服の端をつまんだ。近づけば近づくほど犬の大きさがわかる。大きい犬だ。尻尾をブンブン振ってはいるが、怖いものは怖い。リードで繋がっているのにこちらに飛び掛かる動作をした犬に、わたしは「わっ」と声を上げて彼の服を握って目をつぶって隠れた。まぁ上からも D D stay!と言う声が聞こえる。
「大丈夫だ、ちゃんと座ってる」
その言葉に犬を見る。尻尾をふってちょこんと座る様は世間的には可愛いのだが、大きすぎて怖い。
「君と遊びたかったんだろう。……もう扉だ」
そう言った彼はちゃんと扉の前まで送ってくれた。相変わらず犬は尻尾をブンブン振っていた。わたしは彼を見上げて、ありがとうございます、と頭をさげる。彼は「いや気にするな」と緩やかに笑ったが。
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「姉御パース」
「えっ」
ここがこうで、と、説明するヘイティさんのなんと優しいことか。そんなのだからおい鬼教官なんで今回優しいんだとか外野にやじられている。まぁ彼は聞こえてないように無視しているが。ちょっとしたレクレーションである。レクレーションルームにある、我らが科学班が作った銃のシューティングアクションゲームだ。ナマエちゃん一通りヘイティさんに教わった動作を確認し、くるりと拳銃を回した。
「できそうかい?」
「頑張ってみます。……遊園地のチケットのために」
キリッとしたナマエちゃんに、ヘイティさんが「頑張って」と笑った。今回は景品が豪華で、遊園地のチケットが確かにラインナップされている。理由が確かに可愛い。まぁ、ヘイティさんが笑っただけでざわっと周りは騒がしくなったが。普段無表情鬼教官しすぎだからだろう。
ゲームが始まるからと下がったヘイティさんは、定位置に座ると娘が可愛い、と親バカを披露した。彼女がきてから彼の同僚であるジョイさんやソローさん達に永遠と僕の娘が可愛いと言っている気がする。
「教えたの?」
「軽くね。自衛する範囲と、競技の範囲だ」
「競技?」
「射撃のね。そっちはフランスの奴だけどね」
彼女は綺麗な姿勢でハンドガンをかまえる。ピタリと静止してーー正面の敵を撃ち抜く。淡々と。一発で。綺麗に。それは人が増えようと同じだ。全然自衛の範囲じゃない。跳弾さえも恐らく計算にいれている。それを把握して周りはざわつく。それにもう一つの理由としては、このステージまで一人でやってきたのはジョンさんだけだからだ。流石に厳しくなってきたのが、珍しく彼女も眉間に皺を寄せているが。あぶ、ない、と思った瞬間、誰かがアシストする。見入っていた私たちがそちらを見れば、ジョンさんが銃の形をしたコントローラーを持っていた。
「手伝おう」
「えっと、いいんですか?」
「あぁ。この先は一人じゃ無理だからな」
その言葉に彼女は首を傾げる。そんなゲームなんですか?と聞いた彼女に彼は頷く。
「それに遊園地のチケットはペアだ」
「ペア?」
「あぁ。一緒に行く男に名乗りをあげてもいいか?」
いい笑顔でそう告げたジョンさんに、眺めていたヘイティさんがグシャリと空き缶を潰す。怖い。ナマエちゃんは目をぱちぱち瞬いてーーふふ、と笑った。
「この前助けていただいたので、ぜひ」
その会話に、ヘイティさんが何かいいかけて、ジョイさんとソローさんが止めていた。親の嫉妬は見苦しい、らしい。
それにしても噛み合うなぁ、と私は見守る。双子の成績は超えてーーそのまま高得点を叩き出した二人はそのまま流れるようにハイタッチした。わたしはヘイティさんをみる。ゲンドウポーズしてる。
「僕と娘の方がいい成績出せる」
「嫉妬は見苦しいぞ」
まぁ、ナマエちゃんがヘイティさんを見て嬉しそうにサムズアップしたのをみて、ヘイティさんは心臓あたりに手を当てたが。
「娘が可愛い……」
「落差が激しすぎる」
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・この世界線だと、娘のオリンピックに父親三人が集まる
(喧嘩するほど仲がいいもしくは娘に何かあった時だけ団結する図)
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