ネタ帳vol.3

2025年ネタ帳207:ACのクイーンは君僕主と会う

08/12 17:16 

この世界には2種類の人間がいる。記憶が一重のものと二重にあるものだ。二重にる記憶とはーー自分がどのように生きてーーどのように死んだのかという記憶だ。1世紀ーーいや2世紀前であれば恐らくそれは前世と呼ばれたのだろう。今日において、記憶が二重にある人間に押される烙印は、精神疾患。
ーーそうしてあいつら達はみな空を奪われたのだ。


珍しくティーンがいた。基地の中は視察だ何だと忙しいが、空を奪われた俺たちには関係がほぼない。退役するか、いつか復帰できることを願いながら所属を続けるか。一斉的な摘発により俺たちは進退の選択を余儀なくされていた。そんな時である。基地の中を颯爽と歩くティーンはティーンらしくないと言えばらしくない。そばにいる司令官でもある男が、何度も彼女に確認しては、彼女は肯定をする。そうして俺たちが待機させられた部屋の入り口で口を開く。
「ここにいるのは精神疾患持ちだ」
はっきり言った男は、記憶の中で前線に栄転させられた男に似ていた。彼女は男を見上げる。
「しかし、Mr.。彼らの腕はいいでしょう?」
彼女の言葉に男は本隊の方が上だと告げる。彼女は「その方はら貴方達の国を守る戦力でしょう」と返す。
「Mr.、父から説明があったように我々はPKOのように国々の部隊を借りるのではないのです。我々swallowは国連に帰属する軍隊のようなもの。時制と国々の採択によって敵がかわるゆえに、借りるのではなくスカウトに来たのです」
「事故になってもしらんぞ!小娘が!」
「Mr.、貴方は勘違いしてらっしゃいます。万が一事故が起きたとしても、彼らはもう貴方の部下ではない。貴方達には関係がない。それはもう我々swallow内での問題であり、貴方達には関係がない話だ」
ティーンの説明に男は鼻で笑った。厄介払いできる、万が一事故が起こったとしても自分達に関係がないのであれば好きにしろと告げる。そうしてようやくこちらを見た。
「お前たちにお客様だ」
そう言った男はそのまま去っていく。ティーンはため息をついて、その男の背中を呆れたように見送るとーー灰色の瞳が俺たちをとらえた。
「はじめまして、皆様。ご待機ありがとうございます。私の名前はナマエ・ベルンシュタイン。貴方達をスカウトしに来ました」
そう言った彼女に、誰も何も返さない中、スカウト?と俺は返す。
「はい。最近国連に作られたswallowという組織はご存知ですか?」
「……難民支援組織だったか。子供がトップの」
シラージの言葉に、彼女は頷く。
「あぁ、そこをわかっていただいているのであれば大丈夫です」
「難民支援という箇所か?」
「いいえ、子供がトップというところ」
彼女はそう言っていたずらっ子のように笑った。そちらの方が重要なので、と告げた彼女はまっすぐにこちらを見た。
「はじめまして、私は国連のswallowの今のところ暫定でトップのナマエ・ベルンシュタインと申します。以後お見知り置きいただければ幸いです」
彼女はそう言って人の良さそうな表情をした。この子供が?と言えば、彼女は「まぁそう思われるのは当たり前でしょう」と告げた。
「子供というのは何も知らない大人に訴えかけるのは良い手段でしょう。その実、私は貴方達と似たような人間ですが」
彼女はそう言って目を伏せた。まぁ、ぱん、と手をたたいて俺たちの思考を遮る。
「さて、私と……別行動してますが父がここに来た要件を簡潔に説明します。我々は戦闘機乗りが必要です。来ませんか」
「ダイレクトだな」
「うだうだごたくを並べるよりいいでしょう」
「なぜ戦闘機が?」
「我々が行うのは難民支援だけではなく、戦闘支援も含まれます。また、医療支援にしろ何にしろ人員を届けるのであれば必要でしょう。ただ」
「ただ?」
「機体は最新のものは準備が難しいと思われます。別に開発をするスタッフもいますが、まぁそれはおいおいですかね。加えて、私たちには絶対的な敵はいません」
「……?」
「国の軍人であるならば攻めてきた国、もしくは攻める国が絶対的な敵と仮定され貴方達はそのために飛び立つ。しかし、我々はそうじゃない。総会の採択により敵が変わる。時代によってもね。もしかしたら世界中が味方かもしれないし、世界中が敵になってしまう可能性もある。だから貴方達に強制はしません」



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