ネタ帳vol.3
2025年ネタ帳218:君僕主と弟
08/12 17:24
ナマエちゃんが、あぁそういうことか、と腑に落ちたように告げた。そうして、頬杖をついて、ジョンさんをみた。君じゃないとそうなるのかぁ、とただ淡々と。何の話だろう、と思っていれば、彼女は彼を見て「やってくれたな」と告げた。仕返しだ、とジョンさんは告げる。「何の話?」
「いや、こちらの話だ」
彼女はそう言ってひらりと手を振った。おあああ。なんかクールさが上がったというか所作が軍人っぽくまたなっている。と、なると、だ。桜くんも気付いたんだろう。
「また飛んだか?」
「夢じゃないなら多分そうだ」
彼女はそう言って起き上がると、ジョンさんにハグをする。おおいちゃついている。すん、と鼻を鳴らした彼女は、ふふっと笑ったが。
「あぁ、この香りはジョンだな」
「匂いで判別か?」
「仕方ないだろう。君のそっくりさんはいるしーー君が死んで何年生きてーー何年生かされたと思ってるんだ」
彼女はそう言って目を伏せた。ジョンさんが「そうか」と言って彼女の背中に手を回す。彼女は、ただ会いたかった、とこぼした。これはお邪魔では??と思ったが、彼女はキスをすることなくすぐ体をはなした。ちょっとジョンさんが残念そうにした。
「何?」
「しないのか」
「しない。子供の前だから」
彼女はそう告げた。子供とは私たちのことだろうか。ジョンさんがちらっとデイヴィッドとイーライさんをみてから、「子供ほど歳は離れてないだろう」と告げた。
「それはそうだが。よく黙ってたな、こっちがそうだってことはそっちもそうだろう」
「……待て、そっちにもいたのか?」
「いる。君の立ち位置だぞ。いないと思う?」
彼女はそう言って苦い顔をする。ジョンさんはデイヴィッドとイーライをまた見てから、この二人か?と尋ねた。ん??
「いや、生憎私似の男の子二人だ。それまでに何人死んだかまでは知らないが」
彼女はそう言って目を伏せた。
「そしてそれが……」
彼女はキリッとした顔をした。
「私にいる過保護な弟二人だ」
ナマエちゃんの言葉に、セツくん(たぶんあんまり会話を深掘りしてない)が、姉御弟いたの?と尋ねた。
「いる。異父兄弟。可愛い。お喋りと無口だ」
「バランス取れてんなー」
「そうだな。こっちの兄弟は独立任務遂行型だが、あっちの兄弟は協力任務遂行型だ」
彼女はそう言ってまた座るとゲンドウポーズをする。色々飲み込めてない。
「その弟が三日後には友達を連れてくる」
彼女はそう言って、「どうしよう」と頭をはじめて抱える。ジョンさんが彼女の肩を叩いて口を開く。
「腹を括るしかないな」
「この話でわりかと被害を被るのは誰かわかる?」
ナマエちゃんはそう言ってジョンさんを見上げた。ジョンさんは目を瞬く。
「なぜか無関係なはずのオタコンなんだ……」
彼女はそう言って顔を覆った。オタコンが「えっ」と声を上げた。私やデイヴィッドも、だ。
「ナマエちゃん、どういうこと?」
「簡単に言うと、私がビッグボスになる世界線に飛んだ」
あ、はい、なるほど。私はそこで色々理解する。だから双子云々とかいう話になるのだ。
「その結果、恐らく大筋やおこる事件は似ているが結末や経緯が違うことが多々ある、んだと思う」
彼女はため息をつきつつ口を開く。
「例えば……1番わかりやすい話をすると、デイヴィッドはアウターヘヴンもザンジバーランドも行ったと思うが、私のところではアウターヘヴンはイーライにあたる兄の方が、ザンジバーランドにはデイヴィッドにあたる弟が行っている。その関係で、シャドー・モセスを起こした人は別になってる」
彼女はそう言って困った顔をする。
「あぁそうか、二人は違う人だけれど、僕は両親が同じだからいるんだね」
「正しくはデイヴィッドもイーライも両親は同じだとおもうが、どちらに似た存在を残したか、だ。まぁ面倒だしそう思ってもらっていい」
サラッと重要な事言わなかったかこの人。そこを詳しく聞きたいところだが、当たり前のように親世代がながす。ジョンさんが問いかけたからだ。
「だからオタコンに被害が出る?」
「私の世界において、オタコンはシャドーモセスに行く前に死んでる。溺死だ」
「えっ……」
「酒に酔った父親と深いプールに落ちた。父親は助かったが父親を助けた母親と君は死んだ、となっていた。事実はどうかわからないが」
彼女は淡々と告げた。
「と、なると、シャドーモセスには誰がくると思う?」
「……ヒューイの方か」
ジョンさんがそう尋ねる。彼女は頷いた。
「あぁ。幼い娘を連れてな」
「待ってくれ、ということはエマがシャドーモセスにいたっていうのか?まだ子供じゃないか!」
「まだ子供だから連れてこられた、らしいが。……あの事件で結果的にラボの面々の中で助かったのは君の妹と一人の生物学の博士だ。よって私の息子と一緒にいたのは君の妹」
ナマエちゃんはそう言ってからーーまた顔を覆った。私たちはオタコンをみる。
「3日後にくるのメンバーも、エマ・エメリッヒがいる」
「おあああ!?エマちゃん!?エマちゃん!?今何歳!?」
「14歳ぐらいだったと思う……」
ナマエちゃんはそう言って顔を覆った。
「本当に申し訳ない。息子改め弟達が振り回して……」
扉がノックされる。はい、とナマエちゃんが返事をすれば扉が開いた。
「母さん!!事故にあったって聞いたんだけど!!!」
そう言って飛び込んできたのは明るい茶髪の青年だ。正しくは青年と少年の端境くらいの。ナマエちゃんに似ている。
「何でそう事故にあったりするかなぁ」
「なんでだろうな。仕組まれてなきゃ偶然だと思う。それにしても、早い到着だな。三日後にくると聞いたが」
「終業式後そのままきた」
暗い髪の青年がそう言って並ぶ。こちらもナマエちゃんに似ている。おあああ。デイヴィッドやイーライさん達とはまた違うタイプのイケメンだ。二人より細身である。でもよく見たらジョンさんにも似てる箇所はある。おあああ。
「二人とも荷物は?」
「これ」
「サコッシュで十分」
「……友達と来ると聞いたが?」
「二人は三日後にくる」
あたりを見渡して、暗い髪の方が告げる。
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