ネタ帳vol.3
2023ネタ帳39:李子と陸治子供化(ver1)
01/14 17:16
「お前は……!」
そう告げた人に、陸治さんが思いっきり舌打ちをした。珍しすぎる素行に周りは李子さんを見る。李子さんは何か考えているように目を伏せた。そうして彼女は陸治さんをみた。術の結果、いつもと違う服を着た陸治はいつもと違う獲物を李子さんに向けた。李子さんも同じである。は?と声を出したのは仕方がない。何してんの?と思ったが、すぐに理解した。この二人が仙界入りする前の所属に戻っているのだろう。子供の頃なのだから、何も関係ないだろうに。
「……貴方とは仲良くしたかったのですが……」
「まぁこうなったら仕方がない。お互い所属が戻った。恨むならお前の国を恨め」
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「ちょっと待って。俺もパニックというか……あの二人が仙界に来る前の姿になって、なおかつその所属になる国が出てきてんならやばい」
そう言って頭を抱える。いやだってあの二人、たしか楚漢戦争あたりだよな出身。俺みたいに現代から仙界で三國ではなくて、あの二人は現代から転生して楚漢戦争あたり、楚漢戦争あたりから仙界、後に三国なのである。あの二人の出典なんだっけ……と頭を抱える。秦あたりを扱った中華アニメか、はたまた日本で人気だったラノベやゲーム……。いや、延長線に無双があるならゲームか。とりあえずあの二人をみるに、劉邦や項羽が出てくるのは確かだし、李子さんが連れて行った人も見たことあるというか李子さんが子嬰様って呼んでたしやっぱりそうだよな……。
「陸治さんもやばいけど李子さんがやばい。李子さん闇堕ちルートが開示されてるよなこれ。どうすりゃいいんだ……?」
「寵沙、君は何か知ってるのかい?」
そう尋ねた徐庶さんにうーんと声を上げる。
「あの二人、仙界に来る前の所属が違って俺が会う前、仙界に来たばっかの時は喧嘩ばっかしてたらしいんだけど……」
「仙界?」
「あー……」
そこからか。いや、確か二人には楚漢戦争あたりと仙界の記憶がないのだ。
「……あの二人は元は仙界にいてのう。李子が何を思ったか先に人間界に降りて、追いかけるように陸治が降りた」
伏犠さんはそう説明する。女媧さんが続いて口を開く。
「だが、恐らくは無理矢理人間界に降りた結果だな。手順を踏まなかった。二人はこちらにいた記憶をほとんど失っていたようだ。この世界で問いただしてやろうと思ったが覚えておらぬなら意味はない。が、先程何らかの術をかけられて記憶を取り戻したのだろう」
「というより、そっちも混ざった気がする……」
そう言えば、伏犠さんが考える。
「ふむ?あの二人が来たのはさてはて何百年前だったか……」
その言葉に周りは驚いた。そりゃそうか。はーとため息をつく。俺は劉備さん達をみた。
「だいたい劉備さん達からしたら四百年くらい前」
「えっ……」
「李子さんは秦の人、陸治さんは楚の人だったと思う。というか二人とも名前が違うはず……」
なんだっけなぁと考える。ふわふわ漂っていた哪吒が口を開いた。
「なんだ、やっぱりあの二人って李李と項陸だったの?」
「それだ!」
ぽんっと手を叩く。李子さんは母方の祖父の姓である李を名乗っているし、陸治さんは項羽の親類だ。確か従兄弟とかその辺り。……また頭を抱える。
「あー、やっぱり李子さん闇堕ちするってやばい」
「闇堕ち……?」
「李子さんの立場がやばい。確か李子さん……あの人家族皆殺しにされてるし、唯一生き残ってる父親と所属の関係で敵対する……一族の人には売国奴扱いされたりもするし、項羽に匿ってくれてた人殺されるし、その時に劉邦に助けられたから恩義に報う為に劉邦陣営に身を寄せたけど劉邦父親攻めるし、父親目の前で自害するし……そりゃ14とかその辺りでそれ起こったら人界捨てて仙界行くよな……あの人の場合、何にも覚えてない方が幸せなんだよなぁ……」
思い起こされるムービーでは全部伏せ目っぽい物悲しい顔をしているのだ。あの人は。人生がハードモードすぎる。
「陸治さんは陸治さんで、斉の田横とか田広と仲良くなったりは劉邦を怪しんだりしてたけど、楚軍に最後までいたしな……最後の最後の四面楚歌のやつには足手纏いは来るなって言われて参加できてないけど……あの人はそっから多分仙界入ってるはず」
「流石に詳しいのう」
嫌だってな、推しだし。とは言わない。ただただ両手で顔を覆う。
「いやこれ、項羽特攻な劉邦と張良を探し出した方がいいんじゃないか……楚軍と妖魔くんでもやばい、秦軍と妖魔が組んでもやばい……いやでも多分秦軍の方が妖魔と組みそうな気がする……李子さんが妖魔堕ちしてしまうというか趙高いるなら李子さんの立場がやばい……」
ぶつくさぶつくさ言っていれば、郭嘉さんがふむと考えた。
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李子さんが妖術にかかっている、とは李子さんに逃がされてきた子嬰さん達が告げた言葉である。趙高が妖術を扱えるために李子さんを操っているらしい。と、なるとどうなるかって。同盟組んでない楚軍にいる章邯と李子さんが一騎打ちする羽目になるんだよなァ!クソ野郎がぁ!と思いながら走る。やばいやばい。章邯が李子さん殺しても闇落ち必須、逆なら術を解かれた李子さん自殺する可能性はある。全体的にすばしっこい李子さんが推してるのがまた。子嬰さんが、章李、やめなさい!と叫んだことにより、逆に章邯さんが気を取られることになる。武器を飛ばされた彼に、李子さんが剣を突き刺そうとした時。割り込むのはこの男。
「李子!やめるんだ!」
徐元直である。素手で剣をとった徐元直ははっきり言ってかぢこいい。
「李子、やめるんだ、こんなこと。君は望んでないはずだ」
「趙高様のご命令です。退かないのであれば貴方も殺します」
「李子、彼を殺して何になるのかな?」
郭嘉さんが李子さんの背後に周り、彼女の手を掴む。
「趙高様は彼の首を欲しています。それを渡せば私の家族は助かるのです。母も、弟も。祖父も祖母も。父だって」
矛盾している。でもきっと李子さんには他のものに見えているのだろう。
「そうしたらまた暮らせるのです。私は名を隠さずとも生きていけるのです。どうして貴方達はその邪魔をするのですか」
李子さんが郭嘉さんと徐庶さん、ついでに俺を乱暴に払いのける。柱に激突は痛い。徐庶さんがよろけながら口を開く。章邯は娘だと理解してしまった。だから、彼はもう戦えない。攻撃を避けるだけだ。今も柱に激突して彼は呻いた。李子さんはゆっくりと剣を拾い彼に近づく。
「李子、やめるんだ、君が殺そうとしているのは……!」
「あら、李子さん、まだ殺せてなかったの?」
そう言って現れたのは妲己である。その隣には知らない人がいる。李子さんが趙高様と呼ぶあたり趙高なんだろうか。
「李李よ、時間切れだ。お主の家族は処断する」
「お待ちください、趙高様、あと少しで……」
「そうだな、それの生死は問わぬ。お前の首で、お前の家族の罪は無くしてやろう」
「このクソ野郎!」
そう罵ってしまうのは仕方がなかった。周りに幻術が展開されたのか、李子さんの家族らしき人達が押さえつけられているのがわかる。その中には目の前にいるはずの人も並んでいるのだ。李子さんは少し戸惑ったようだった。
「どうした?はやくしなければ、他の家族がどうなることやら……胡亥様は気が長くはないぞ」
李子さんは剣を持つと震える手で自分の首に当てる。
「はい、趙高様、今すぐに」
「李子さん、やめっ……!」
「李李、やめろ!!」
現れたのは劉邦である。李子さんがそちらに気を取られた一瞬で徐庶さんが撃剣についた飄と紐を使って李子さんの剣を止める。その間に劉邦が李子さんの武装を解除すると、俺は仙術を使って李子さんにかかった術を解いた。もう少しだったのにと言いながら消えた二人に舌打ちをする。李子さんに目を映せば、李子さんは意識を失ったらしい。郭嘉さんと徐庶さんも立ち上がってやってくる。
「……うさま……たすけて、おとうさま……」
そう言った李子さんを劉邦は抱えて章邯を見下ろした。章邯はただ見上げるだけだ。まぁ、劉邦が「お前の娘だ、お前が面倒みろ」と李子さんを章邯の上落としていったが。
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「阿李」
category:中華組関連(msu・oa)