君の隣 私の居場所
六年生になった。相変わらず僕とタミヤの関係は変わらないままだ。血が出るようになったけども、タミヤのおばさんが対処の方法を教えてくれた。相変わらず僕の両親は迎えに来ない。
「今更だけどさ、零ってなんで男の格好してんだ?」
タミヤとチェスを指している。おじいちゃんとおばあちゃんは家にいなかった。だからタミヤとチェスを指しているわけだけど、二勝二敗、今のところ引き分けだ。
「本当に今更だな」
「いや、前はなーんも思わなかったけどさ」
「うーん、お父さんとお母さんの都合」
そう言って駒を動かす。「おじさんとおばさんの?」と首をかしげたタミヤに、うなずいた。
「僕は見つかっちゃ大変なんだって。だから男の子にならなきゃだめなんだって」
「意味がわからない」
「わからなくてもいいと思う」
僕の両親には別の家族がいる。だから、僕が見つかると大変なのだ。以前雑誌に載ったのは「女の子」という記載だった。どこかの病院が漏らしたらしい。だから僕は「男の子」にならなければ「僕」の安全はまもれなかったと父さんが言ってた。嘘だろう。迎えに来る気もないくせに。結局は「めんつ」というものを汚したくないからそう言っているのだ。
「そろそろ光クラブにいかないと、ゼラに怒られる」
「そうだな」
「ってことで、チェックメイト」
そう言って駒を動かせば、タミヤは「げ」っと声を上げた。
「僕の勝ち」
そうニッと笑って見る。タミヤが悔しそうにした。良い気分である。
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