太陽が泣いた日
ひょこりとやって来た喫茶店に、四人は相変わらずいた。恋の行方がどうなったのかは、多分お話通りなんだろう。そっと車椅子を押して机に近づいていくけども、誰ひとり気づかないのは笑える。なので、机に肘をついてみる。
「なになに、みんな辛気臭い顔して、どうしたの?」
そう尋ねれば、四人はこちらを見て、目をまん丸にした。それがおかしくて、笑う。
「零、?」
「こんな格好だけど零だよ。生徒会会長と副会長おめでとう」
そう言って膝の上にあった花束を机に置く。四人の顔が歪んだ。何、と思っていれば、大鷹くんが私に抱きついた。は、と思っていれば、美美子ちゃんと光明くんは泣き出す。帝一くんさえもなんか耐えてた。固まってしまった私に、私のワガママにつきあってくれた看護婦さんは「青春ね」だなんて笑うだけだ。
「零、悪い、悪かった……!」
「え、何が。ていうか、恥ずかしいし、仮にも想い人だった人の前でその行動はどうなの、大鷹くん」
そう言えば、大鷹くんがわなわなと震えて、余計に力を込めた。というか、みんな声をあげて泣いた。これには看護婦さんもワタワタとする。零ちゃん、と言われだけども、私は今それどころじゃない。抱き締める力を強くされてキャパシティーオーバーである。
「お、大鷹くん、とりあえず、離してくれないかな……?」
そう言えば、大鷹くんは緩やかに体を離した。涙でぐしゃぐしゃになった顔で私を見下ろした。
「零、なんだよな?」
「何馬鹿なことを言ってるの? 私は零だよ」
「俺は?」
「大鷹弾。何当たり前のこと言ってるの?」
私の言葉に大鷹くんはぐしゃぐしゃと私の頭を撫でたかとおもうと、また抱きしめる。
「・・・・・・本当に、悪かったっ!」
そう絞り出すような声を上げた彼に、私はどうすればいいのか全くわからなかった。視線を美美子達に動かすけれど、誰も助けてくれない。とりあえず、頭をゆっくり撫でておく。しばらく大鷹くんがおちつくまではこのままだろう。
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