必ず夜は明ける



「いや、だって、え?」
「俺は零が好きだ。ダメか?」
「ダメじゃないけど、え、え?」

  混乱する私に、三人は口々に「混乱してるわね」「混乱してるな」「混乱してるね」という。いや、混乱するしかないと思う。私は少し唸る。少し唸って、目を伏せて、口を開いた。ええい、どうにでもなあれ。そっと、顔をそらして、口を開く。

「私も、好き、です、ずっと、好き、でした」
「え! 嘘! いつから!」

 そう口を覆った美美子ちゃんに、うー、と唸る。言わなきゃだめか。大鷹くんをみあげる。彼は驚いたように目を見開いていた。

「……よく、わかんないけど、美美子ちゃんとの仲に気を使って名前は呼んでなかった」
「・・・・・・なら、名前呼んでくれよ」

 今なら関係ないだろ。
 ずいっと顔を近づけた大鷹くんに、顔を背ける。

「だ、弾くん、」

 そう呼んだら、彼は私を強く抱きしめて私のキャパシティーがまたオーバーするのは別の話だ。変わらないはずの未来が、変わった瞬間だ。でも、どこかに布石はあったんだろう。私が忘れてしまっただけで。

 弾くんからそっと、窓ガラスを見る。そこに映っていた存在に目を瞬く。誰だろうか。誰かの知り合いだろうか。じっとこちらを見た二人。見たことがある気がする。どこだっけ。そう考える私をよそに、彼らは緩やかに笑って、――消えた。

「え、」
「どうしたんだ? 零」
「窓の外に誰かいたんだけど、きえちゃったから」

 私の言葉に、四人は窓の外を見る。誰もいないぞ、といった赤場くんをよそに、弾くんはぽつりと言葉をこぼした。

「お前の代わりに守るから、安心しろよ、タミヤ」
「――?」
「なんでもない」

 そういった弾くんは、さ、冷めちまうし食べようぜ! とフライドポテトに手を伸ばす。一人で食べる彼に食い尽くされては困ると私も慌てて手を伸ばした。




prevnext


back