赤崎妹と、緑川




「あ、ドリさんだ!」

人ごみから頭一つでるドリさんを見つけて突進する。
今日は縁日をしているから人が多い。
私は気にしないぞ! 周りの視線なんて!
痛い目とか気にしな……いや、結構するか。
だが、赤崎ナツ。
ドリさんには撤回してもらいたい言葉がある。いや、先生以外のベテラン組に撤回してもらいたい言葉だ。
だから突進するんだ!

「ドリさぁぁぁん!」
「!」

ごん! と聞こえそうな勢いで振り返ったドリさんの胸襟付近に頭突きをする。
が、効果がなかったようで、ドリさんは私の頭を撫でた。

「なぜだっ……! なぜきかない……!」
「結構痛かったが、力が強い奴のシュートの方が痛いな」
「まじですか」
「ああ、」

苦笑いをこぼし、ドリさんは、また、私の頭を撫で、「どうしたんだ?」と私に尋ねた。

「あ、そうだった……撤回してください!」
「?」
「私は"子犬"じゃないですよ!」
「……じゃあ、成犬か?」
「いやいや、ボケないで! ドリさん、」

そう、ドリさんとガミさん曰わく、私は監督に喜んでついて行く(あながち間違ってない)子犬みたいらしい。
しかも、先生とかすぎえもんとかに、尻尾ぶんぶん振ってるレトリーバーの子犬らしい。
いやいや、私、人間だから!
尻尾生えてないよ!

「ナツちゃんの反応を見てると犬っぽいけどな、」
「えー、」

むっすーとした表情を浮かべる。
しかし、ドリさんには効かなかったようだ。笑って頭を撫でられる。
なぜだっ……!
なぜドリさんには私の攻撃がきかない……!
いや、そういや、ベテラン組に効いたことないや。
大人の余裕か。
そうか、そういうものか。

「まぁ、かき氷でも奢ってやるから、機嫌を直してくれ、」
「本当に!?」
「そういう反応するから、子犬っぽいんだ、」

ドリさんはそう言って笑って人ごみを歩いていく。私は人の流れに負けじとドリさんについて行く。
何でさっきの私、こんな中、突進できたの……
あ、喋ってる間に人が増えたのか。

「ナツちゃん、」

おいでおいでと手を招くドリさんに向かって突進する。
私をなめんなし! 人ごみ!
やっとのことでドリさんの元にたどり着くと、かき氷屋さんが。
わーい!!

「イチゴ! ドリさん、イチゴがいい!」
「わかった、」
「イチゴ……!」

ドリさんが頼んでいる間、じっとして待つ。
犬なら「待て」だよな、これ。


「ほら、ナツちゃん、」
「イチゴ!」

ドリさんから渡されたイチゴのかき氷を食べる。おいしい!

「旨いか?」
「うん!」
「そうか、良かったな」
「うん!」

赤崎妹と、緑川
「そういえば、何でドリさんは――」
「ドリさん、どこに行ったかと思ってたらナツといたのか、」
「赤崎妹じゃん、久しぶりー!」
「ん? あ、先生とガミさん!」
「……ナツ、一応聞くが、それ何個めだ?」
「一個目! ドリさんに奢ってもらった!」
「やっぱ、堺に躾られる子犬だよな」
「あぁ、だが、本人は気にくわないらしい」
「あ、そうだ! 私は犬じゃないですよ! ガミさん!」
「はいはい、赤崎妹、お手!」
「はい、って何させて……! ドリさん笑わないで! 先生呆れないで! ……ひどい……」
「よしよし、今度は俺がフランクフルト奢ってやるよ、」
「!」
「……やっぱり犬だな、」



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SQUELCH!!