――何かザワさんに似てる――
歩いて来る女性は、髪の毛の色も、顔もザワさんと違うのに、何故かそう感じてしまった。
茶髪の男性と歩いて来る。恋人なんだろうか。
でも、年が結構離れている気がする。
俺達が通りすぎようとした時、女性は目を見開いた。
「あれ、里沙ちゃん?」
「……名前先輩?」
「うわぁぁあ! 久しぶり! 元気にしてた?」
「ウッス」
ザワさんの知り合い?
俺達はザワさんとその女性に視線をむけた。女性もザワさんも珍しく笑いながら会話をしている。
「今も野球三昧?」
「ッス。名前先輩もサッカー三昧ッスか?」
「うん、サッカー三昧。しかし、お互いに変わらないわけだ! 今、高校生だっけ?」
「うん、」
「日践、……サッカー微妙で野球部強いとこか。じゃあ、隣の少年達はチームメイトってワケだ」
「ッス」
「仲間は大事にしなよ、里沙ちゃん。そこの少年達もね」
「うん、」
「え、ぁ、ウッス」
「……先輩、隣の人は?」
「うん? タッツか。今、アルバイトしてるんだけど、その責任者?」
「俺、責任者じゃねーぞ? 名前」
「じゃあ何? 面倒だからいいや。今、サッカーチームでバイトしてるんだけど、そこの監督さん。気にしなくていいよ。空気だと思って。というか思え」
「……名前、いいのかなー? ハーゲンダ――」
「ごめんなさい!」
「よし。……そろそろ行くか。怒られそうだし」
「そうだね」
「高校球児、ジャンルは違えど頑張れよ。後、ETU応援よろしく!」
「じゃーね、里沙ちゃん。こうじ君によろしく。野球頑張れ!」
「ッス」
軽く手を上げて、歩き出す二人にザワさんはお辞儀をする。
「何、ザワさん、知り合いなの?」
「うん、小学校の頃からお世話になってた先輩」
「へぇ、あの人も野球やってたとか?」
「それはねぇだろ、」
「サッカーって言ってたよな」
「女子サッカー?」
「いや、サッカー」
「は?」
「中学も高校も男子に混ざってサッカー部に入ってた」
「……は?」
「高校はまぁ、試合出れなかったみたいだけど、コーチとか監督してたみたい。帝都高校って高校で――」
「帝都高校? 去年の高校サッカー優勝校じゃねえか」
「何かニュースで騒いでたよなぁ、何か女子がコーチになってたって……」
「その人」
「え!?」
赤崎妹と、野球部女子
(隣の人、どっかでみたことが……)
(ETUつってたよな?)
(まさか……!!!)
100
SQUELCH!!