赤崎妹と、堺さん 





「赤崎妹、」
「お疲れッス。あと、赤崎妹じゃないですよ、赤崎ナツです」

遊び半分のフットサルが終わり、少し疲れたので地面に座っていると、堺さんが声をかけてきた。
見上げてみると、ペットボトルを差し出してくれていた。

「あざっス」
「赤崎妹は――」
「ナツです」

しつこくそういうと、堺さんはため息をついて「ナツは、」と言ってくれた。

「帝都高校のサッカー部出身らしいな」
「そうですよ?」
「無名公立高校でインターハイ優勝を成し遂げただろ?」
「はい、まさにあなた達がしようとしている"Giant killing"ですね」

いやー、楽しかったですよ、と笑うと堺さんはまた口を開く。

「じゃ、やっぱりお前が指揮してたのか。で、あそこの手伝いの一人がキャプテンだな」
「まさか、見てたんスか?」
「ああ。ETUで話題になってたんだよ。指揮してたのが、監督じゃなく"7"番をしょったアカサキって選手だったからな。お前の兄貴に詰め寄っても、"無関係ッス"ばっかだし」
「あの人、あんまし私の事他人に言わないんスよ。私も兄の事はあまり言いませんが」
「もう一人の奴は、大阪代表の高校の奴だろ」
「よくご存知で」

「マスコミで目立ってたからな。プロに行かなかったのか」
「アイツ結構怖いんスよ。負かした後、メアド教えてないのにメール送ってくるわ電話してくるわ」
「……」
「しまいには、大学どこって聞かれて答えたら、大阪から上京ですからね」

一歩間違えればストーカーですよね、って笑うと堺さんは、ストーカーだろ、ときりかえした。

「あー、だからケイトが敵意剥き出してたのかー。これを話した後」
「……それは別の問題だと思うが……」
「まじっすか。……堺さんって"お兄ちゃん"って感じしますね」
「そうか? 赤崎とお前みてると兄妹って感じするぞ」
「うぇー」
「嫌なのか、そんなに」
「んー、イヤじゃないッスけど……」

なんて言うんだろう、と考えていたら後ろから声が聞こえた。

「堺さんが、赤崎の妹には優しいっ!」
「! るせぇぞ、世良!!」


赤崎妹と、堺さん
(痛いッス! 堺さん!)
(堺さんのことをお兄ちゃんと呼ぼうか……)
(ナツ、やめとけ。お前の兄貴が、)
(堺さんが、赤崎の妹のことを……!)
(変な勘違いすんじゃねぇ! 世良!!)
(オニイチャン。やめなよー、)
(……っ、!!)
怒られました。

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SQUELCH!!