「うぅ……ひっく……」
「! おい! どうしたんだよ!」
顔を少し上げてみると、黒田がいた。
"恐いオニイサン"は心配そうに私を見た。
「りょ、にぃ、とっ」
「りょーにぃ? あぁ、赤崎か。アイツになんかされたのか?」
何もされてない。何も。
私が勝手に泣いてるだけだ。
だから私は首を横に振った。
「けんか、したっ」
「喧嘩?」
"恐いオニイサン"は呆れた顔をしたけど、何が原因なのかを聞いてきた。
私が原因であることを話し、大丈夫だからと言って練習に戻るように言ったが、オニイサンはかかんで私を見た。
「それはお前が原因じゃねぇ」
「けどっ」
「いいか! 兄貴って奴はなぁ、妹の冗談くらい笑って許してやれるのが兄貴だ!! お前が泣く必要なんてねー!! 赤崎が悪い!」
アイツはそういうトコあんだよ、"自分が正しい"って思ってる節が!
恐いオニイサンは、私にそこら辺りにおいてあったティッシュを渡した。
どうやら、この人は"優しいオニイサン"らしい。
「ありがとう、ござい、ます。……今日は、もう、帰りますね。監督に、伝えておいてください」
「ああ、わかった」
「黒田さん、ぜひ、サポーターの為にも素晴らしいプレーを、」
「? ああ、当たり前だ」
にっこりと笑って、私は立ち上がった。
「皆さんに、よろしくお伝えください。さようなら」
赤崎妹と、黒田
(おい! それ、どういう意味だよ!!)
もう、ここにはこないってことです。
23
SQUELCH!!