やぁやぁ、皆さんご機嫌よう。
私は赤崎ナツと申します。
寒い、寒いです。「夢ノ島」なら、もっと暖かくてもいい気がします。
昼に出たのに、日が落ち掛けてます。しかし、寒い。
こんな事になったのも、アイツのせいなんで殴ります。
「ついた……うう……寒い! 何か練習とかもう終わってそうだな……ボール蹴りたい」
はやく暖かいところにいかなければ!!
足をせかすように動かして、スタジアムに入る。
あ……アポとかとってねぇや。ま、いっか。
関係者以外立ち入り禁止の看板を無視して廊下を突き進む。
(だって一応関係者だから)
すると、目の前に見知った後ろ姿が現れた。
「有里さん!!」
そう叫んで、駆け寄ると、名前を呼ばれた本人が振り返える。
「ナツちゃん!」
「ちわーッス!」
「またその様子じゃ、アポとってないわね?」
「はははっ! 当たり前じゃないですか!」
「最初に会ったのが私だったから良かったものの」
はぁ、と有里さんはため息をついた。
私だって好きでやってるんじゃないんだけどな。
正直、ここには来たくないし。アイツが忘れ物するから来るんだし。
「で、今日は何のようなの?」
「アイツのお使いです。有里さん、頼むんで渡してくださいよ」
「わかっ――」
「ダメだよ、有里ちゃん」
有里さんに承諾を貰える! と思ったら、第三者が現れた。
この声は……
「出たな……! ゴトゥー!!」
「はは、相変わらずだね。ナツちゃん。ここまで来たんならちゃんと渡しなさい」
「だからゴトゥーはイヤなんだ……」
「何か言ったかい?」
ぼそりと呟くと、ゴトゥーが此方を見たので首を振った。
私の頭はフル回転で渡して逃げる口実を探している。
「だって、部外者が練習邪魔しちゃ……」
「あれ? 数ヶ月前に、黒田にキレて、ボールを当てて、グラウンドを逃げ回っていたのは誰だったかな?」
「う、」
「嘘、ナツちゃんそんなことしてたの?」
確かにした。だって、黒田が悪い。
だから行きたくないんだよ、あのオニイサン怖い。
「いえす、あいでぃどぅ。あれはアイツが悪いね。よって反省する必要はなし」
「たしかに、似てる……」
「ね、有里ちゃん、言っただろ?」
「……? 遼兄とは似てないッス。髪の毛の色以外」
「赤崎とも似てるけど、新しく入った監督にも似てるよ」
「……?」
新しく入った監督?
ああ、そういやクラスの奴らが騒いでたね。ETUの監督がどうのこうの。
「ま、とにかく渡しに行くよ」
ゴトゥーに引きずられ、私はグラウンドへと向かった。
赤崎妹と、広報+α
(ヤだよ、ゴトゥー。有里さんヘルプ!)
3
SQUELCH!!