ゴトゥーと有里さんと私がグラウンドについたとき、ちょうど練習は終わったらしい。
選手が雪崩のようにこっちにやってきた。
うわぁ、嫌だ。黒田と会うじゃん。
「テメェはこの前の!!!」
ほら、噂をすれば。
イヤだよこの人。怖いもん。
今だって睨んでるし。へるぷみー。
「……オニイサン、そんなにキレてちゃ脳の血管切れてサッカーできなくなるよ」
「何だと!?」
あれ、何か火に油注いじゃった系?
この前は村越さんが止めてくれたから良かったけど。
(アイツはスルーだったし)
「第一、この前も今日も誰の許可を取って!」
「まぁまぁ、黒田。落ち着いて」
「アポなしだからね、いっつも。文句なら後ろで涼しい顔してる細目の奴に言ってクダサーイ」
なだめていたゴトゥーがため息をつき、黒田と周りで成り行きを見ていた選手達は後ろのアイツを見る。
振るな、という顔だが知らない。
「……俺は無関係ッスよ」
「は? かわいい妹が絡まれてるんだから助けろよ」
「妹!?」
周りにいた選手達は驚いた。
黒田も一瞬驚いた顔をしたものの、すぐにさっきの顔に戻った。
「お前ら兄妹揃って……!」
「え、何、遼兄、何かしたの? だから私に火の粉が……!」
「お前のそのプラス思考が羨ましいな」
「ありがとう」
「誉めてない」
あ、そうッスか。
そうつぶやいてゴトゥーを見上げる。
助けてゴトゥー!!
怖いよ、黒田。
「まぁまぁ、黒田。この前のはもう、ナツちゃんは謝ったんだし」
ありがとう、ゴトゥー!!
ゴトゥーの言葉に、黒田はふんっと顔を背けてその場をさった。
「ありがとう、ゴトゥー!! アレ、頼りにならん。ゴトゥーみたいなお兄ちゃんが良かった」
「俺も他の妹が良かった」
「なんだと! ノーコン!」
あ、やべー。
何か機嫌悪そうだったのに、地雷踏んじゃったっぽい。
ゴトゥーに荷物を預け、ゆっくりと人のいない方へ逃げる。
額に筋がたってますよ、お兄さま。
「今日こそぶっ殺す!!!」
「ぎゃあー!!」
鬼ごっこが終わったのは、数分後でした。
赤崎妹と、兄とETU
(ごめんっ、ごめんってば!)
(……帰り送ってやるから待っとけ)
(ボール触ってていい?)
4
SQUELCH!!