「なーんかさ、ケイトとユキ、ギクシャクしてない?」
そんなことを二人に聞こえるぐらいの声の音量でササに聞けば、ササは何ともいえないという表情で切り返してきた。
「何でわかるんだ?」
「いやさ、不調なのかとか考えたんだけどね。違うみたいだし」
そういって、練習している二人を見る。
二人ともいつもの動きができていない。
はぁ、とため息をついて二人を呼び寄せる。
「ケイト、ユキ」
「ナツ、どうしたん?」
抱きついてくるユキを阻止し、キチンと立たせる。
「私が昨日ETU行ってる間に、何かあった?」
「なんもないよ、な? ケイト」
「あぁ」
「嘘つくごとにグラウンド走らせるよ」
少し睨んで言えば、二人とも言葉を詰まらした。
やっぱり何かあったんじゃんか。
……まぁ、私が関わりすぎるのも良くないかな。
「明日までにその状態、治しといてね」
そういってから全体に集合をかけて、今日の練習を終わらせる。
今日はETUの開幕戦だ。
遼兄からチケットも貰った。一昨日帰ってきていたのは、これを私に渡すためらしいけど。
そして、余分にあるチケットを見る。
これはゴトゥーが、この前の手伝いの報酬としてくれたものだ。
本当は三枚用意するはずが、ペアチケットなので二枚。
「ケイト、ユキ。コレあげるから二人で見てきなよ」
ひらひらとチケットを見せると、二人とも嫌そうな顔をしたが「行け」といったら渋々ながら承知してくれた。
「ナツはいかへんの?」
「行くよ。遼兄にチケット貰ったし。席違うし、ゴトゥーとユリさんとタッツミーに顔出すように言われてるし、別にいくけど」
「監督さんに会うん? 俺も行く!」
「駄目。関係者以外立ち入り禁止」
あっかんべー、としてから鞄を持ち先にグラウンドを出る。
最後に、ケイトは知ってるだろうけど、二人に向かって一言。
「私さ、恋愛って興味ないんだよね、」
うん、女子学生っぽくない一言。
ユキが何か言いたそうな顔をしたので、もう一言。
「大学で全国制覇するまで、この考えは変わんないかもね」
恋愛なんて普通の女の子がするもので、私は普通の女の子じゃないし。
というか、"女の子"でくくられるのが嫌なんだよな。昔から。
女の子ってだけで、男より劣るって考えられてるのが嫌だし。
もんもんと考えてながら歩いていると、迎えに来てくれていたらしいゴトゥーにぶつかった。
痛い。
「大丈夫かい? ナツちゃん」
「うう……大丈夫」
ゴトゥーに車に乗せてもらい、スタジアムに向かう。
「パッカ君に会いたいな……」
「パッカ君なら今日スタジアムにでてるぞ」
「飛ばせ! ゴトゥー!」
赤崎妹と、開幕戦
(あ、パッカ君!!)
(……)
(え? 元気にしてたかって? もちろん!)
(……)
(遼兄とも仲直りしたよ!)
(お、ナツ。きたのか)
(あ、タッツミー)
31
SQUELCH!!