赤崎妹と、チームメイト 






「やほっ。どちらの応援もしないなんて野暮な事するねー」

そういって、二人の肩に触れると二人とも同時にビクリとなった。
なにこれ、楽しい。

「な、ナツ!」
「失礼するよ、間」
「なんなん、ナツ!」

二人の間に割り込んで、座る。ここは指定シートやで、とユキに言われたのでヒラヒラと私のチケットを見せた。

「実は君たちの間なのです」
「あ、マジでだ」

ケイトがチケットの番号を確認する。
私はグラウンドのほうに身を乗り出す。
ユキもそれに併せて身を乗り出した。
可愛い可愛い緑の物体が見えた!

「パッカ君!! 愛してるよ!」
「なんや、ナツ、あの緑の物体好きなん?」
「おい、それ、パッカ君の前でいったら……」

がん! とユキにパッカ君の鉄拳がいき、私は頭を撫でられた。
いったぁ! と若干涙目なユキを見て、ケイトがぼそりと「あのカッパ昔っから凶暴なんだよな、」と呟いたのが聞こえた。
パッカ君を見送ると、座席に座り口を開く。

「それは、今のユキみたいにケイトが暴言吐いたからっしょ。私には優しいよ?」
「女には、な。ぜってー中身男だ」
「ケイト、俺もそう思うわ」

もうすぐキックオフの時間だ。周りは段々
ヒートアップしていっている。

「ユキってさ、何で一々こっちの大学きたの?」
「な、それは、」
「スカウト受けても良かったんじゃない? ユキなら活躍できるだろうし」
「……ケイトには、聞かへんの?」
「だって、ケイトが大学行く理由知ってるもん」

ケロリとそう言うと、ユキは吃驚したような表情をした。「ちなみにユキ以外はだいたいの理由は知ってるんだよね、」とつきたせば、ユキはふいっと目をそらした。

「俺以外の奴はなんであの大学行ってんの?」
「大体が親の意志で大学進学だけどね。ササとシグマとリュウとケイトは違うね」
「?」
「ササは栄養士学科に行って最終的にはシェフになりたいらしいよ。ササのご飯は美味しいからね。リュウは日本語学科、自分の国で日本語教えたいんだって。シンガポールから来てるしね。シグマは医学部。親の病院を継ぐらしいよ。ケイトは――……」

チラリとケイトを見ると、ケイトは笑って口を開いた。

「教育学部。小学校の教師になって、ガキにサッカー教えんのが夢」
「中学生の時から言ってるしね、」
「……俺は、ナツと、サッカーしたいから入った」

目をそらされたままそういわれる。
素直に嬉しいね、そういうの。

「……ケイトとかが、楽しそうにサッカーしとったし、ナツんとこきたら楽しいサッカーできるんかなって」
「楽しいのか? ユキは」
「なんやねん! 読み取れや! 楽しいに決まってるやろ……!」

うん、何時もの二人に戻ったね。
良かった。良かった。

「……ナツはなんで、大学来たん?」
「私? 私は――」

ピィーー!

私の声をかき消すぐらいに会場には応援が激しくなった。
キックオフされたらしい。

「ナツ、聞こえねーよ、」
「ほんまや!」
「私言ったよ? 二回は言わない」

二人からブーイングがきたが、グラウンド側に体を向ける。王子が此方を見て微笑んで、そのずっと奥にいるタッツミーが親指を上向きに突き出した。
私も笑ってそうすれば、王子も笑って同じポーズをとり、タッツミーは笑い、ベンチにいた堺さんがタッツミーを見た。


赤崎妹と、チームメイト
最高のチームメイトと、最高のサッカーと「GiantKilling」を求めて大学にきました。


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SQUELCH!!