赤崎妹と、監督 





「あー、いたいた。ナツ」
「あー、タッツミー」

堺さん(またの名を先生)と話していたら(いわゆる健康談義)タッツミーが目の前に現れた。
タッツミーはニヤニヤと笑って、私と先生を見る。

「何? 堺って、年下好――」
「な訳ないでしょう、監督」
「タッツミー、堺さんは私のオニイチャンから先生に格上げされたんだよ」
「余計な事言うな!」

ガツンと先生に頭を小突かれ、苦しんでいるとタッツミーは「せんせー?」と頭に? を出していた。

「体調管理の先生」
「あー、なるほど。……なぁ、ナツ、」
「何?」
「俺は格上げしないの?」

タッツミーにそういわれて、私は頭をひねる。
タッツミーに合う称号は、今はパッと浮かばない。

「だって、いいの浮かばない」
「おい、先生ってのはその場の思いつきかよ」
「それは堺さんがオニイチャンっぽい雰囲気をだしたりとか、先生っぽかったから」

そういった会話をしていると、タッツミーはムスッとした表情になり、それを見た堺さんが「俺、練習行く」と言ってグランドへ向かった。
もうちょっと先生と話したかったな、と思いつつタッツミーを見る。

「タッツミーはタッツミーだし、難しい……」

「俺は俺?」
「タッツミーは監督だし、オニイチャンっぽいし、おもしろいし……何か全てを合わせました、みたいな」
「何、それって喜んでいいの?」
「多分」
「多分ってなんだよー」

さっきとは打って変わって、ケラケラとタッツミーは笑う。私も何だか可笑しくなって笑った。

「何、もしかしてタッツミー、呼び方変えてほしいの?」
「うん」
「じゃあ、タッツは?」
「今はそれでいい」

ニカッとタッツミー改め、タッツが笑った。

「じゃあ、これからもよろしくお願いします、タッツ!」
「こちらこそよろしくー」


赤崎妹と、監督
その後、練習場で私が「タッツ」と言うたびに遼兄は眉をひそめ、先生と王子はため息をつき、まっちゃんさんと世良さんはびっくりしていた。
そして、堺さんを「先生」と呼ぶたびに、堺さんから小突かれた。
(遼兄も若干上から目線で「先生」と言い、同じく小突かれ……殴られていた)


43

SQUELCH!!