赤崎妹と、藤澤 





「こんにちは」

目の前で微笑んでいるのは綺麗なお姉さん何だけど、私は面識がない。
ETUの敷地内でみたことないな、なんて思ってるとお姉さんが口を開いた。

「アナタはETUのコーチ?」
「ふぇ?」

確かに私はコーチ陣が着ているあのジャージをきている。だがしかし! これは私のじゃない。タッツのだ!
お姉さんは未成年の(しかもアイスをくわえている)私がコーチに見えたのだろうか。否、そんなわけがない! ……と思う。

「……」
「……」

アイスをくわえたまま、お姉さんを見つめる。

「……違うのね」
「ふぁい」
「じゃあ、どうしてそのアナタはジャージを着てるの?」
「タッツ……達海監督から預かりました」

アイスをくわえるのを止めて、受け答えする。
最初からそうしろよ的な感じで、若干睨まれたけど気にしない!

「達海監督に? アナタはETUのスタッフなの? 学生に見えるけど、」
「バイトッスよ。大学生ッス」

そう答えると、上から下までなめるように見られる。何だ、コノヤロー! と身構えていると、お姉さんは口を開いた。

「アナタ、この前、女子サッカーの試合に出てなかった?」
「! ……で、出てないッス!」

いきなりそれかよ!

ちょっと動揺したじゃん!

「出てたでしょ?」
「出てな――……スイマセン、嘘ッス。出てました」

何か怖いオーラだされた。

「私の知り合いが、女子サッカーの記事書いてるんだけどね、」
「記事? ってことは、お姉さんも知り合いさんと同じく記者さんですか?」
「ええ。藤澤桂よ」
「ヅラ……?」
「桂。藤澤桂」
「じゃあ、ラッカさん」
「何でそうなるのよ」
「良いじゃないッスか。で?」
「……貴方、達海監督に似てるって言われない?」
「言われます。不本意です」
「そう。……で、その知り合いが、」

スルーされた!
ETUの皆さんは反応してくれるのに! 村越さんでも「……だろうな」ぐらいは言ってくれるのに!
酷いや、このお姉さん!

「ちょっと、聞いてる?」
「聞いてるッス。……ちょっと、スルーするなんて酷いなって考えてましたけど」
「聞いてなかったのね。まぁ、いいわ」

お姉さんはペンと小さいノートを取り出した。
やべー、これ取材じゃん。
ヤダなー。どう逃げようかなー。
断ったら怖いオーラだされそうだしなー。遼兄とか助けてくれないかなぁ。

「貴方は雪代女子大の15番で合ってるわね?」
「はい、そうッス」
「名前を教えてくれるかしら」
「……赤崎ナツッス」
「赤崎? 赤崎ってことは、赤崎選手に――」
「ナツ、何してんだ」

後ろからの声に振り向けば遼兄がいた。
そういや、今日は遼兄が送ってくれるって言ってくれてたっけ。

「! 赤崎選手」
「……ナツ、この人は?」
「記者さんだって」

そう答えると、興味なさげに遼兄はラッカさんを見る。

「何か知らないッスけど、妹に用ッスか?」

俺達今から帰るんスけど。
……遼兄、それは有無を言わせない喋り方だよ、なんて考えているとラッカさんは「いえ、いいわ」と答えた。

「クールビューティー!」
「何言ってんだ!」
「!」

思わず叫んだら、遼兄に頭を小突かれた!

「痛い! 今日はせっかくの撫でられるデーなのに!」
「はぁ? 誰がお前の頭なんか撫でるんだよ」
「タッツでしょ、先生でしょ、ドリさんもなでてくれるし、王子に、今日は杉江さんにも撫でて貰った!」
「犬か、お前は。お前なんか尻尾振って、撫で回されとけ」
「いやー、遼兄がシモネタ言ったー。かっこつけのくせに〜。(限りない棒読み)」
「は?」
「ラッカさん、記事にしよう! 記事に! そして遼兄のファンを幻滅させ……」
「いい加減にしろよ。せっかく、ハーゲンダッツの店見つけたから連れてってやろうとおもったのに。お預けだな、」
「ごめんなさい、私が悪かったです。すいませんでした、遼お兄様」
「よし」

今度は頭をポンと叩かれる。

「仲がいいのね」という、ラッカさんの言葉を二人で拒否し帰ろうとすると、ラッカさんに呼び止められた。

「ねぇ、アナタ、そのジャージ達海監督に返さなくてもいいの?」
「「!」」


赤崎妹と、藤澤
(忘れてた! ありがとう、ラッカさん!)
(いえ、いいのよ(不思議な子……))
((その姿に大分見慣れたな、俺も……というか、ラッカさんって絶対落下傘とかけてるだろ、コイツ))


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SQUELCH!!