「わるい、赤崎、」
「何が?」
このままいくと包帯ぐるぐる巻きだな、何て考えながら保険の先生による処置をうけていたら、まさかの天城からの謝罪。
「俺、もっと前に知ってたんだ、」
「ふぅん、」
「何回かお前が殴られてんの見た……けど、助けられなかった、怖かったんだ、」
「へぇ、」
「本当に、悪い」
「別にいいよ、」
「っ何で、もっと責めないんだよ、」
「だって責めても過去の事だから意味がないし、君は結局助けてくれたから、責めない」
「けど、」
「じゃあ責めてあげよう。ナンデモットハヤクタスケテクレナカッタンダー、」
限りない棒読みでいうと、天城はため息を付いた。
何だ、責められたいって顔してたから責めてあげたんじゃないか。
「もう、いっか、」
「そう、もういいんだよ、こんな――いたい! 先生、いたい!」
「我慢しなさい!」
「ひぃぎゃぁ!」
「じっとしなさい、消毒できないわよ! ……天城君、押さえてて!」
「あ、はい、」
「に゛ゃぁぁ! 離せ、天城っ!」
「ケイト」
「なに? ……ひぃ! 痛い! 先生! 痛い!」
「ケイトって呼んでくれ。天城ケイトだからケイト」
「うん? わかった」
「あら、青春ねぇ、……赤崎さん、やっぱり、足、捻挫してるかもしれないわ。腫れてるもの」
本当にツイてない。
せっかくベンチ入りできたのに。
「帰り、タクシー呼ぶ?」
「いや、大丈夫です。ノロノロ歩いて帰ります」
先生の提案に断りを入れる。
今日、確か遼兄が帰ってくる日のはずだし。
いざとなったら迎えに来て……面倒くさい事になりそうだから却下。
ガラリと扉が開いた。
さっきのもう一人と、あれ、何か増えてる。
「はぁ、やっと見つけた」
「わりぃ、ササ。三上先輩達逃げたから手当てが先だな、と。先生は?」
「三上を見つけて聴取中だ」
「先輩は一応つけなよ、一応年上なんだから」
「あ? あー、うん、」
何その自己解決。
「……それはともかく、大丈夫なのか? 赤崎」
「荷物持ってきたよ。赤崎さん、」
「ありがとう、」
誰だっけ。
「赤崎、コイツがササでこっちがアズ。俺の小学校からのチームメイト」
「へー、ちなみに二年のチームでの背番号は?」
「9と13」
「あー、フェイクいれたら簡単に抜けるのと、左後方向からのパスに反応が遅いの、か」
「「!」」
「お前、本当によく見てんなー、感心するぜ」
「直したら、ケイトとか今のスタメン抜いてスタメン入れんのにもったいない」
「本当に?」
「マジかよ」
「う、」
「ちなみに、ケイトの弱点は……」
「ちょ、言わなくていいから!」
「何だよ、ライバルにそこ狙われたほうが克服するじゃないか」
「正論だよな、教えてくれ、赤崎」
「うん、そうだよな、」
「うぐぐ……なぁ、そういやさ、お前、下の名前は?」
なぜサッカーの話からそういう話に飛ぶ。
まぁ、いいけど。
「ナツ。赤崎ナツ」
「じゃあ、ナツ、よろしくな、」
一緒に、全国大会めざそうぜ?
赤崎妹の、中学時代#2
その一言が、とても嬉しかったから、
(おい、何泣いてんだよ!)
(……いや、何でもない、)
(ケイトが泣かしたー)
(最悪だー、)
(お前等!)
一人のプレイヤーとして、認められたようで。
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SQUELCH!!