「おや? 君は……」
「げ、似非王子……」
ゴトゥーに呼ばれてまたもやキャンプ地に来てみれば、似非おう……ゲフン……王子に会いました。
「似非?」
「あはははは、何ですか? ジーノ王子」
「まぁいいや。君は確か黒田にボールをぶつけた子だね」
あ、そういや昨日、王子はいなかったな。グラウンドに。サボリか、コイツ。
「こんな所まで来るなんて、どうしたんだい? 僕はもうこないと踏んでいたけど」
「いや、私も来たくないッス。後藤さんに呼ばれて」
「この前のも?」
「あれは違う人に届け物です」
「……。もしかして、ザッキーの妹とか?」
げ、当てやがった。
似てないはずなんだけど。
「それとも、タッツミーの妹? あ、タッツミーはないか。流石に年が離れすぎ」
もしそれで、タッツミーの妹だったらどうするのさ。王子。
まぁ、前者だけど。
「赤崎の妹ッス。兄がお世話になってます」
「本当にね」
そこは否定しろよ!
本当にフリーダムだな、この人。
「で、君、名前は?」
「赤崎ナツです」
「ナツね、」
まさか覚える気か……? 王子。
いや、覚えないか。すぐ忘れるよね!
「年は?」
「18ッス。高校三年です」
「ザッキーと年ごぐらいだと思ったよ!」
「老け顔で申し訳ない」
「いやいや、顔じゃなくて雰囲気が!」
「あ、兄の雰囲気が幼いんですね。わかります」
「はははっ! 君、面白いんだね! ナツ、気に入ったよ!」
しまった!! やってしまった!!
気に入られたくなかったのに!
「何やってんだ、ジーノ」
「! タッツミー!」
「あ、タッチミー!」
「お、ナツ、来たのか。あと、タッツミーだ。タッツミー」
「タッチミー? ……あぁ、タッツミーとかけてるのか! 僕もタッチミーと……」
「吉田って呼ぶぞ」
「やだな、冗談だよ! タッツミー」
「アップ始まってんぞ、ジーノ」
「本当かい? じゃあ、僕はお暇するよ。じゃあね、ナツ!」
「へーい、」
無理矢理作った笑顔で王子をお見送りする。王子が見えなくなると、タッツミーが口を開いた。
「お前、ジーノの前でタッチミーとか言うと本気で触ってくるぞ」
「あ……そっか。忘れてた」
うん、王子が物わかりがいい人で良かった。危ない危ない。
「じゃあ、達海監督がなんでここに?」
「タッツミーでいい。何か違和感」
「タッツミーがなんでここに」
「後藤がもうそろそろお前が来るって言ってたからな。お出迎え」
「お出迎え!?」
「あれ? 後藤から聞いてなかった?」
「今日、呼んだの俺」
赤崎妹と、王子と監督
(え、えええ!?)
(いやー、協力して欲しいことがあってさー。赤崎に聞いたらお前ができるって)
(……あのクソ兄貴! ……帰ります!)
(ちゃんと報酬用意したのになぁ)
(!!)
(ハーゲンダッツのリッチミ――)
(やります、やらしてください)
7
SQUELCH!!