今日はあらかじめ(ゴトゥーに言われたから)ウィンドブレーカーの中にジャージ着てきてるけど、はずいんだよね。高校名とか背番号とかがバッチリ書いてあるし。
まさかだよ、まさか。
こんな格好で、ETUのキャンプ地に来るなんて。
ため息をつきながらウィンドブレーカーを鞄の中に詰め込むと、ノックが聞こえてきた。
「着替えたかー?」
「着替えましたー」
タッツミー監督の声に返事をして、扉を開ける。
「お、まさしく高校生って感じだな」
「クラブのですからねー。ってか、現役高校生っすよ。まだ。で、何すればいいんですか?」
「んー? ついたら話す〜」
「え〜。じゃ、帰る〜」
「ハーゲンダッツ、俺が食うぞ」
「それはヤだなー」
二人でグダグダと笑って話しながら歩いていると、ふくよかなオジサンがやってきた。
タッツミー監督と同じジャージを着ている。コーチかな? そんな体で指導できるのかって感じですなぁ。
「監督!」
「お〜、松っちゃん。丁度いいところに来た! コイツ、赤崎の妹で赤崎ナツっつーの」
「コーチさんッスか? 兄がお世話になってます」
ぺこりと礼をすると、コーチさんは何か狼狽えているように見えた。
「ナツ、お前、コーチにはそういう挨拶するくせに監督の俺にはしないんだな」
「えー……じゃあ、アニガオセワニナッテマス」
「えー、棒読みかよー。もっとこう、感情を込めてだな!」
「えー……せっかく言ったのにぃ……」
二人でケラケラ笑っていると、コーチさんが口を開く。
「まさか、監督、助っ人って……」
「そ、コイツ」
「え、何、聞いてない」
「手伝って貰うために呼んだって言わなかったっけ?」
「言われたっけ?」
「監督!! その子は女の子ですよ!? スクール生でもないみたいだし!」
「女の子で悪かったッスね。オッサン」
あ、しまった!! 本音が!
タッツミー監督は「そういう所、赤崎にソックリだなー」とケラケラ笑っている。
「ま、安心しなって! 松っちゃん。コイツはタダの女の子じゃないから。色んな意味で」
「え、何、タッツミー、私の情報どこから聞いたの?」
「主に後藤と赤崎」
「ぶっ殺す!! あ、殺しちゃだめだ。ストライクアウトの的にしてやる!」
「おー、こえー」
赤崎妹と、指揮陣
(タッツミーも的ね)
(なんでだよー)
(え、だって勝手に詮索したじゃん)
8
SQUELCH!!