おー、翻弄されてる。翻弄されてる。
ゲームをはじめてそこそこたった。
見事に向こうの我がチームメイトは翻弄されている。
動きがなってないね。
私はニヤリと笑って、口を開いた。
「有里さん、何であの三人手放したと思う? あの三人が一番つきあいながいんだけどさ」
「え、そうなの?」
「うん、だから一番私の指揮を理解してるんだよね、」
一番理解してくれてる。
みんな理解してくれてるけど、『一番』がつくとつかないとでは意味が違う。
「それって、ヤバくないの?」
「いや、まったく。私の指揮を理解してるからこそ、そこに落ち目がある。こういう時は、ああ切り返すとかわかってる。だから、さ、」
私はじっとボールをキープしているケイトをみる。
そこにユキがボールを取りに行った。
いつもの紅白戦とは違う動きで。
「それが違った時、あぁいうミスを引き起こす」
ボールのキープ力があるはずのケイトが、あっさりとユキにとられる。
私が今回したのは、サインや動き、切り返し方を何時もの逆にしただけだ。
ユキから先生にパスが通り、先生がゴールを決めた。
「やりぃ! さっすが、先生!」
ガッツポーズを決めれば、タッツがムスッとしているが見えた。
ん? タッツがこっち向いてニヤリ。
シグマもこっちジト目でこっち向いてる。
あー……
「タッツとシグマにバレたっぽい」
「え、」
私のこぼした言葉に有里さんが驚いた顔をした。
シグマが声を上げる。
「ケイト、ササ、アズ! 惑わされるな! ナツは何時もと違うパターンで攻撃にきてる!」
「ほらねー」
「けど、すぐに反応は、」
有里さんには悪いけど、頑張って練習したからねー。
「できるよ、だから、ほら来た!」
ササが村越さんにパスを通し、そして遼兄に渡って、セーラームーンがシュート……!
「あー決まった……!」
ピーという笛の音が響く。
あー……
「引き分けかー」
悔しいなぁ、と思っていたら頭をこづかれた。後ろを振り向けば、ケイト達。
呆れた顔されてるけど。
「ナツ! お前なぁ!」
「三人中学以来でしょーが。私の指示から外れるの」
「!」
ニヤリと笑ってやると、三人はまた呆れたような顔をした。
「慣れっていうのは、一番危ないんだよー。それに、新鮮だったでしょ?」
「あぁ、まぁな」
赤崎妹と、カレーパーティー#4
(ナツー、おつかれー)
(あ! タッツ! おつかれー)
(目的は達成できたか?)
(うん、まあねー)
(そりゃよかった)
80
SQUELCH!!