やっぱり、持田選手の存在は凄いと思う。
流れをいっきに引き寄せるとか、チートキャラというか、ラスボスというか、
まぁ、ETUにとってはヴィクトリーってラスボスだよね、とか考えながら歩いてたら誰かにぶつかった。シグマの焦った声が聞こえる。
あれ、何かデジャヴ感が……
「……すいません、持田選手。マジでごめんなさい。いや、ぼーとしてたっていうか……」
何で正座させられてんの、私。
助けてダンディー、助けてタッツ、
あれだ、シグマは慌ててどこかに行った。
逃げたな、このやろー!
「いや、本当に、すいまに゛ゃあ゛!!!」
「聞こえないんだけど、」
「足痛い痛い痛い痛い! 踏まないで!」
「え?」
「このドS……痛い!!」
涙目になってきた。
くそう! コイツ笑ってやがる!
今、助けてくれた人、神って崇める!
「何してるんだ? 持田」「何してんの? ナツ?」
「あ、監督」
「平泉監督、タッツっ! へるぷみー!」
「タッツ?」
タッツに腕を引っ張って貰い、立ち上がる。足しびれてる……!
持田選手恐ろしや……!
タッツの後ろに隠れて睨む。
正面立って睨んだら、後が怖いし。
「こんにゃろう、シグマ! 逃げたな!」
「……叔父さんを呼んでた……」
「いや、自力で助けようよ、そこは」
まぁ、タッツにジャージ返さなきゃだったから、タッツに会えたことはいいけれども。
「ウチのバイトちゃんに何してんのさ、持田、」
「ふぅん、バイトちゃん、ね。……まぁ、いいや、お疲れさまでした、監督、達海監督、じゃあね、シグマ君、ナツ、」
ニコっ
いやあれは、ニコっじゃなくてゴゴゴ……みたいな効果音がつきそうな勢いだったよね。怖い。
「……持田の奴、新しい玩具を見つけたみたいな顔だったな、」
「きゃひぃ! おもちゃ……!」
「それより、ナツちゃんはETUでバイトしてたのか、」
「ヴィクトリーには渡さないぜ?」
「それは残念だ、」
「行くぞ、ナツ、」
「え、あ、お疲れさまでした、平泉監督、じゃあね、シグマ」
「……あぁ、」
赤崎妹と、東京ダービー#4
(あ、タッツ、ありがとー、ジャージ)
(ん、……ナツってさぁ、本当に、選手ホイホイだよな。何時知り合ったんだ? 持田なんて)
(え、拉致られた)
86
SQUELCH!!