古今東西英雄無双(9)
「……なんでこんなに入ってるの」
ナマエは息を吐く。小さなバックパックには絶対入らないであろうそれら。近くにいる孫市も首を傾げていた。
もうすぐ世界をかけた大きな戦になる、ナマエにも出陣してもらう、とナマエが曹操に告げられたのは、今朝のことだ。
なんやかんやと、ナマエが魏軍に所属してから一ヶ月が過ぎた。ここ最近は孫市に狩りにつれていかれたり、他の武将や一般兵の手当てをしたり、女性陣に手当ての仕方を教えたり、夏侯覇と話したりしていた。そんな中言われたことだった。とりあえず、この前から確認しそびれている持っている武器を確認したのが今だ。
ハンドガンにサバイバルナイフ、簡易医療キットぐらいなら理解できる。しかし、アサルトライフルに、長距離狙撃用のライフル(しかもスコープ付き)はどう足掻いても入らないだろうそれだ。
「……カロリーメイトまではいってる」
取り出した小さい箱をみて、もはやなんとも言えなくなった。孫市はライフルを構えてみたり、スコープを覗いてみたりと楽しそうに見える。
「補足とすれば、それは長距離射撃用のものです」
「距離は?」
「1.8〜2.5kmあたりなので、半里ほどと思っていただければ」
「半里!?」
孫市が驚いてナマエの方をみた。
「これ一本で普通の戦は終わっちまうぜ。これで半里先から大将を撃てば終わりじゃねーか」
「ただ、欠点もありますよ。長距離になればなるほど些細な手の震えで照準が狂いますし、森の中ではつかえません」
「なるほどなぁ」
そう言って構えてみたり、手に持ってみたりを繰り返す孫市はどうやら長距離狙撃用ライフルを気に入ったらしかった。
「今度、狩りで使ってみます?」
「いいのか?」
「別に、減るものじゃありませんし」
そう言ったナマエに孫市は嬉しそうに笑った。