感染注意(6) 



 聖堂の外はゾンビだらけだった。
 どうやらこの手のプロである二人の予想を超えているらしい。ピアーズとメラの視線がナマエへ向き、ナマエは銃を構えた。

「自分の身は自分でまもりますよ」
「無理をしないでね」

 メラの言葉にナマエは苦笑いをする。やはり、足手まといには違いなかった。
 ゾンビの中にメラが突っ走るのを見てナマエはそれに続いた。



 さて。ナマエはゾンビの中で頭をフル回転させる。ナマエの戦闘体験にある中で似たようなものといえば、敵に囲まれているという点では、遠呂智が作り出した世界の妖魔だろうか。しかし、あの世界は特殊であったしあの世界で手に入れた不思議な武器はこの世界にはない。そもそも、戦場においてこんなに囲まれてしまえばあのボスでなければあっけなく死んでしまうだろう。ゾンビが知能があまりないからこそこの状態で生存できている。
 しかし、ゾンビが知能が低いとはいえ、地道に撃ち殺すとなれば数が多すぎて下手をすると死ぬ。一気に片付ける方法はないのだろうか。

「あった」

 ここには、古い消化器がある。ナマエはゾンビの間からそれを見付け出すと、それに向かって銃を構えた。ナマエ達からは距離がある上に周りがゾンビだらけであるから大丈夫だろう。

「ちょっと大きな落としますが、気にしないでくださいね」
「え?」
「は?」

 ピアーズとメラがナマエの言葉に気を取られた瞬間、ナマエは引き鉄をひいた。そして、その瞬間にドォンという音と共にいくらかのゾンビが倒れた。

「……何をしたんだ?」
「向こうに古い消化器があったので、それを撃っただけです。去年あたりから先生に変えた方がいいっていったんですけどね。危ないから」

 銃を構えたまま肩を竦めたナマエにメラはふっと息を吐いた。

「将来有望ね」
「褒め言葉として受け取ります」
「十分な褒め言葉だろ」

 そんな茶々をいれながらも、学園内を走り抜けた。