選択肢は二つに一つ(5)
「ファルコ、ナマエさんはどうしたんだ?」
テーブルに項垂れるナマエと、その横で雑誌を読むファルコ。偶々その横を通りかかったフォックスは、首を傾げた。スネークやソニック達は乱闘へ出場している時はファルコといることが多いナマエ。大体は二人で黙々と本を読んでいたり何かを話したりしている。だが、珍しくナマエはテーブルに突っ伏したままだ。珍しく、というよりは見たことがないそれ。気分が悪いのか、とも取れるがファルコが何時も通りなのを見れば、違うのだろう。
「あぁ、ナマエな。今日、はじめてカービィにコピーされたらしい」
「カービィに?」
「さっきの乱闘でな」
確かにアレは衝撃的である。言い表すことはできないが、はじめてコピーされた時は衝撃的だった、とフォックスは思い出す。ナマエはフォックスをチラリと見る。
「どっと疲れました」
「あぁ、アレは恐怖だな。慣れたら大丈夫だろうが」
「……もうしばらくカービィの顔を見たくありません」
「この前まで可愛いっつってたのにな」
「可愛いけど、怖い」
「……ぐったりとしてるところ悪いんだが、ナマエがコピーされたカービィはどんな風だったんだ?」
フォックスはナマエを見る。ナマエは空笑いすると、「余裕がなくて見てなかったんです」と言った。
「なら、カービィを連れてこようぜ。今ここでコピーさせればいい」
「え、」
「おい、ファルコ」
「おー、カービィ、いいところ……」
「呼んでない! 呼んでない! ファルコ!!!」
「ナマエ、落ち着け。それはファルコの嘘だ」
「ビビりすぎだろ、ナマエ」
「っ〜〜!! ファルコの馬鹿!」
フォックスはナマエを見て、余程トラウマだったんだな、と推測する。
「……スネーク達に言わない方が良さそうだな」
言ってしまえば、ナマエがカービィに追いかけられることは必須だろう。ぼんやりとフォックスはそう思いながら、ナマエにCQCをかけられているファルコを見た。