世界は一人の為に回るか否か(8)



「いやぁ、おめでとう! ナマエ! メガリングを手に入れたんだって?」

 シャラシティを去ろうとした時、目の前に現れたプラターヌにナマエは目を瞬いた。報告をしていないのに、何処でそんな情報をてにいれたのだろう、がナマエの考えである。フラダリならばわかる。コルニという少女にマスタータワーにくるように言われた際、メガリングとは何か、と言うことをあのテスターを使ってフラダリに尋ねたからだ。フラダリに聞いたのだろうか、とナマエが推測していると、プラターヌはニコリと笑って「立ち話もなんだし、カフェへいこう!」と街へ逆戻りしてしまった。


「にしても、ナマエのリングは綺麗な指輪の形なんだね」

 訪れたカフェで、プラターヌはラテとエスプレッソを注文する。それまでは記憶の話やナマエの旅の話をしていたのだが、注文したものがとどくと、不意にナマエのメガリングの話になった。ナマエのメガリングは、何故か指輪の形をしている。アンティークの指輪のようなデザインをしていて、ナマエはとりあえず、人差し指にはめていた。

「みんな指輪の形ではないんですか?」
「カルムくんとセレナちゃんは腕輪だったよ」

 ナマエの手を持って、マジマジと指輪を眺めるプラターヌにナマエは苦笑いをした。それに気付いたプラターヌも苦笑いする。

「ごめんごめん、つい気になっちゃって。でも、この指輪だと、こうしてこうすると……」

 プラターヌがナマエのメガリングを人差し指から薬指に移動させる。

「婚約指輪みたいだよね」
「ええ、そうですね。だから、指輪を人差し指にしてたんです。サイズ的には薬指の方がぴったりなんですが」
「あれ? ほんとだ。じゃあ、このままにしときなよ。無くしちゃうと大変だし、君はまだ子供だから気にする人はあまりいないよ、きっと」

 プラターヌの言葉にナマエはそれもそうか、と思う。今の外見は子供なのだから、きっと誰も気にしない。


 ――そんなナマエの考えは、ミアレシティにてフラダリと出会った際に変わってしまうのだが。

「ナマエさん、それは?」
「ああ、これは……」
「相手は誰ですか? まさか、プラターヌ博士とか?」
「へ? あ! 誤解です!」