君を中心に世界は回る(6)




 それは約一ヶ月程前の話になる。

「今回、武器を売買する相手は傭兵だ!」

 そう高らかに告げるココに、ピクリとナマエが反応する。それに気がついたのは、隣にいたジョンのみだったが、彼は首を傾げただけだ。ココの言葉にルツが顔をしかめた。

「傭兵? なんでまた」
「傭兵と言っても、ただの傭兵じゃない。フランスの外人部隊に近いそれだ。南米を拠点に活動してる」
「ということは、」
「そう! 次は南米だ!」

 ココのよく通る声に、ナマエはじっと黙ったまま目をつむったのだった。


 そして、それから一ヶ月程たった今現在、ナマエはコロンビアにいる。周りが暑いと項垂れる中、ナマエは慣れた様子でいる。
 ――コロンビアを拠点にする傭兵部隊。
 ナマエは、頭の中に浮かんだ部隊に目をつむった。もし、それが、あのMSFなら、ボスがいるはずである。向こうが覚えていようがなかろうが、ナマエはもう一度会いたいと思っていた。今回は運がよく、ココの護衛としてヨナとレームと共にその部隊の元へと向かうことになっている。
 まぁ、それを阻止するようにジョンが動いているのだが。
 今日も本格的にその傭兵部隊の基地に向かう前にジョンはココと話していた。

「なぁ、ココ、俺とナマエを変えることはできないのか?」
「しつこいなぁ、」

 ジョンの言葉にココが少しムッとした表情を浮かべる。それをからかうようにレームが声をかけた。

「今回は焼けに食いつくじゃねぇか。なんか理由があんのか?」
「それは、」

 ジョンはちらりとナマエを見る。ナマエは目を伏せたままだ。

「けど、決めちゃったものは仕方ないよ、ジョン。今回は諦めて」
「……」
「よし、ヨナ、レーム、ナマエ、行こう!」

 ココの言葉にジョンはため息をつく。そして、自分のそばを通り過ぎようとしたナマエを呼び止めた。

「ナマエ」
「どうしたの? ジョン」
「……いや、なんでもない」
「変なの」

 そう言ってナマエは笑うと、じゃあね、と小走りでレームの隣に向かった。



「今日はやけに引き止めたがってたな、ジョンのやつ」

 ナマエが後部座席に座れば、不意に前に前から声がかかった。レームだ。彼は少し笑いながら、バックミラー越しにナマエをみる。さぁ、どうしてですかね。ナマエは首を傾げて見せた。