君を中心に世界は回る(15)



 あぁ、これは自分はやっと死んだんだな、とナマエは思った。またあのマザーベースにいたからだ。天国でも地獄でもない。アウターヘヴン。ナマエがいるべきだとおもっている世界だ。前と同じ場所までふらりとやってきたナマエは、海に向かって足を投げ出した。空は相変わらず快晴で、陽射しがジリジリと身体を焼く。

「ナマエ、そんなところにいちゃ、焼けちゃうわよ」

 聞こえてきた声に、ナマエは振り向いて笑った。「パス、」と彼女の名を呼べば、彼女は少々怒ったようにナマエのそばに座る。

「また来たのね」
「うん」
「来ちゃダメって言ったのに」
「でも、もう疲れちゃったよ」

 ナマエの言葉にパスはきょとんとした。

「もう、疲れちゃった。探して、探して、やっと会えたと思ったのに、あんな目にあって」
「違うわ、ナマエ、あの人はビッグボスじゃない!」
「でも、疲れちゃった。もう、いいよ。ここにみんなが来るんなら、ボスも来るんでしょう? ここで、またせてよ、お願い、パス、もう、」

 ボロボロと泣き出したナマエに、パスはどうすればいいかわからなくなった。いつの間にか現れていた他の隊員もそんなナマエを見たのは初めてなのか、アワアワとするだけだ。
 しかし、その隊員を掻き分けるようにして現れた人物は違った。ナマエをいきなり現れたかとおもえば、ナマエをそのまま海に突き落としたのである。

「ボスと幸せになるまで、こっちに来るな。俺が何回でも突き落としてやる」
「ちょっと、カズ!」

 落ちていくさなか、そんな言葉が聞こえた。ナマエを突き落としたのであろうカズがパスに怒られていた。
 ボスによろしくな。
 カズの声が、ナマエの耳に残った。