君を中心に世界は回る(FIN)



 いきなり抱きついてきたナマエに驚いたのはジョンだった。彼女がこんなことをするだなんて珍しいを通り越して今までなかったことだ。

「……ずっと、ずっと探していました、ボス」
「俺も、ずっと探していた」
「どこへ行ってもボスはいなくて、やっと見つけたと思ったらよく似た違う人でした。何で言ってくれなかったんですか?」

 ナマエが涙声なのがわかる。ジョンは大事に抱え込むようにナマエを抱きしめた。

「怖かった。俺が覚えていても、お前が俺が覚えていなければ、きっとナマエは拒否を示しただろう? それが、怖かった」
「……」
「俺だって、どれだけお前を探したか。生きている、というナマエの言葉を信じて、何度も何度も探した。それでも、ナマエはいなかった。やっと、見つけたのに拒否をしめされたら、俺は」

 ジョンはそこで言葉をきった。

「昔、ナマエは俺にこう言ったな。世界の中心が自分から俺になったって」
「はい、言いました。だから、貴方に会いたくて貴方を探し続けました」
「俺も、同じだ」

 すっ、とナマエの顔を持ち上げてジョンは真剣な声色で告げる。

「俺の、世界の中心は、いつからか君になっていた。いや、今でも君が中心だ。だから、今度こそ、ずっとそばにいて欲しい」

 ボスの言葉にナマエが照れたように頷く。ボスは嬉しそうに笑い、ナマエを抱きしめた。それは、お互いに探していたもので。どちらかが、中心になれば、もう片方も中心になるのだろう、だなんてナマエは思う。


*君を中心に世界は回る

これにて、彼女達はハッピーエンド。
しかし、二人の話は、まだまだ続く。ナマエの世界がまわり続ける限り。