とある少女の洞察
その日、少女は一つの記事を見た。そこに映っていた人物に、少女は思わず画面に釘付けになる。
凶悪殺人犯が捕まった、というそれだけれども、その凶悪殺人犯はどう見ても、自分の友達の知り合いに似ている気がした。
――高遠遙一。マジシャンであった男。
思えば、共通点など沢山ある。あの人――正確には、あの子の姉の恋人――もマジシャンであったはずである。名前も、遠山遙治。どちらもイニシャルはY.Tだ。髪も同じ色、肌の色も同じ。違うのは瞳の色だが、最初にあった時の彼は黄色い瞳だった気がする。
――もしかして、同じ人物かしら?
そう考えたが、記事を読み、否定する。高遠遙一は牢獄にいるはずなのである。と、いうことは高遠=遠山という可能性はゼロだ。
――考えすぎね、まるでどこかの探偵さん達みたいだわ。
「何やってんだ、灰原」
「いいえ、ちょっとニュースを見てただけよ」
やってきたあの子は画面を覗き込んで、少し顔をしかめた。
「なんでそんな記事読んでんだ」
「目に付いただけ。何かあるの?」
「……いーや、なんでもねーよ」
そう言ったあの子は、「ほら、みんなが待ってる」と少女に手を差し伸べた。少し迷って手を取った少女は、あの子と共に、仲間の元へと駆けて行った。