蝋人形城殺人事件03
たどりついた城の玄関はとてつもなくでかかった。扉を見上げていると、明智警視がノックをする。恐らくコレで少年探偵団なら、不法侵入しているに違いない。あの館の時みたいに。しばらく待っても誰も出ない為、入ってみることになった。扉を開けて見るが、中は真っ暗である。あの館を思い出したが、似たようなことがあるわけでもないだろう。
「何か明かりが……」
「あ、ライターならあるよ」
アキが何処からともなくライターを取り出す。きょとん、とした美雪さんと女性、金田一と明智警視に、アキは苦笑いをした。
「最近、マジックの種を持ち歩かないと気がすまなくて…」
「アキちゃん、すごーい!」
「また腕を上げたな〜。借りるぜ!」
アキは金田一にライターを渡すと、金田一はライターをつける。そして、近くにあったナニカに女性に抱きついた。明智警視がそのまま金田一からライターを取り、先を見る。
「――蝋人形の衛兵だ!」
「へ? 蝋人形?」
「凄いリアルな蝋人形ですね」
すごい出来栄えです。
アキがそう言って蝋人形に近づいていくのをみて、俺も近づいていく。蝋人形は今にも動き出しそうである。
「いらっしゃいませ」
そんな言葉とともに現れたそれに、ビクリと肩を揺らす。アキがくすりと笑って、人ですよ、といった。フランケンシュタインにそっくりではあるが、たしかに人である。
「あ、私達は……」
「明智様、フリードリヒ様、飯塚様、それに金田一様と七瀬様ですね? 私は、ここで皆様の世話を致します、南山と申します。お待ちしておりました、どうぞこちらへ!」
おお、なんか見た目とは違っていい人っぽい。やっぱり人を見かけで判断しちゃダメだな。というか、あの女性はフリードリヒさんというらしい。名前からして、ドイツとかオーストリアっぽい。イメージだけどな。
何時までたってもフリードリヒさんを離さない金田一の足を踏んづける。目があったフリードリヒさんに微笑まれてしまった。
「それにしてもコレ! 東京タワーの蝋人形館見たくするつもりだったのかね」
蝋人形館? と首を傾げる。それを見て、明智警視が「もう閉館してしまいました」と教えてくれた。残念。ちょっと言ってみたかった。俺の表情に出ていたのか、アキが「お台場の方にもあるようですから、今度行きましょうか」と笑った。お台場といえば、トリックアートの展示もやっていた記憶がある。これはちょっと楽しみだ。
「どうぞ、お入りください」
南山さんの言葉に、部屋の中に入る。視線が俺たちに集まった。金田一が苦笑いして「どうも」というが、誰も何も返さない。それと同時に、柱時計が三時をさして音を鳴らした。
「あとお一方到着されていないようですが、時間ですので城内をご案内致します」
そう告げた南山さんに続いて、部屋を出る。なにかワクワクしてきた俺に、金田一が「やっぱガキだな」と言った。うるせぇ。こういう内装見るのが結構好きなんだよ。