蝋人形城殺人事件05



「皆様お待たせいたしました。この城の主、レッドラムさまがお待ちです」

 そう言って開かれた扉の先には、何かある。よくよく見れば、俺たちそっくりな蝋人形だ。ご丁寧に椅子に座らせてあるし、俺のは小さい子どもサイズだ。全員がヨーロッパの中世の服を着ている。

「――ようこそ! 我が蝋人形城へ――私はMr,レッドラム! 私の心ばかりのプレゼントは気に入って頂けたかな?」

 何処からともなく聞こえてきた声に、周りを見渡す。スピーカーは見当たらない。

「英国の犯罪心理学の権威、リチャード・アンダーソン! ロサンゼルス市警の刑事を叔父に持ち、自らも多くの事件を解決したエドワード・コロンボ! 当麻探偵社社長、当麻 恵! 推理小説評論家、坂東九三郎! 日本ミステリー界の女王、推理作家、多岐川かほる! 19歳でドイツ警察の監察医となった天才少女、マリア・フリードリヒ!」

 フリードリヒさん、監察医だったのか。ちらりとフリードリヒさんを見る。また視線が合い微笑まれてしまった。

「犯罪ルポライター、真木目 仁! 警視庁捜査一課きってのエリート警視、明智健吾! 天才マジシャンであり、世界的ミステリー作家の父を持つ飯塚アキ、また、同じく父を持ち小学生ながら事件を解決している、飯塚ヤマト!」
「わお。知らない方に褒められました。私なんてまだまだなのに」
「俺、事件解決してないんだけど。巻き込まれてるだけだっての」

 レッドラムの言葉にムッと唇をとがらせる。最後に「高校生ながら多数の事件を解決している金田一一とそのパートナー七瀬美雪!」と紹介が入った。

「以上、12名により、バルト城所有権及び、移築費用二億円を賭け――バルト城ミステリーナイトを開催する!」

 レッドラムの宣言と同時に、鐘の音がなる。殺人事件がおこらないことを祈る。