蝋人形城殺人事件14
「もう三日目ね……ってあら? アキちゃんたち、ここにいたのね?」
「ええ、ヤマトが子ガラスと格闘しているので」
「格闘?」
そう首を傾げた美雪さんは俺の方を見て、クスリと笑った。暖炉の間で繰り広げられているのは、烏の羽に包帯をまこうとする俺VSそれを妨害する烏である。お前のためだっての! といってはみるが、言葉が通じるはずもなく、烏は俺に突進してくる。くそう。何とかして巻ききると、烏はカァと俺に向かってないた。そして肩を陣取った。
「偉くなつかれましたね」
「烏だけどな」
「うるせぇよ。嫌われるよりマシだろ」
「あ、はじめちゃん、そこ――」
「?」
「白い粉がついてるよって遅かったね」
アキの言葉にあわてて立ち上がる金田一。ズボンのケツのあたりは白くなっている。明智警視が椅子に近づき、椅子を見る。
「コレは、塩ですね」
「塩? なんでそんなものがここに」
「あと、これ、コイツがなんか暖炉からとってきたんだけど」
そう言って、金田一に指輪を渡す。コイツが暖炉に近づいた時は驚いた。自ら焼き鳥になりに行くのかと思えば、近くの灰から指輪を拾ってきたのだ。
「指輪?」
「それって、多岐川さんの指輪よ!」
「多岐川さんの?」
「ええ、間違いありません。彼女のつけていた婚約指輪ですよ。左手薬指につけていましたから」
「今日はつけてなかったわ」
「そりゃ本当か!? 美雪、アキ!」
金田一の言葉に二人が頷く。
「わかったぜ、リチャードの死体が何故運ばれたのか! そして、Mr.レッドラムの正体が!」
「そ、それじゃあ、はじめちゃん、」
「ああ。謎はすべて解けた!」