烏と漆黒と白


「で、烏なんかつれてるわけか」

 ベンチで隣りに座る快斗くんに「ええ」と返事をする。あの後、明智さんに動物病院に連れて行ってもらいちゃんとした治療をしてもらった。獣医曰く、一・二ヶ月もすれば飛べるようになるだろう都のことだ。動物病院に保護してもらおうかと思ったが、問題の子烏がヤマトから離れないためそのまま米花に連れ帰ったわけである。今では私のマジックにおいて白鳩代わりだ。賢くてすぐに覚えてくれるため助かる。申請云々は明智警視がしてくれた。本当に気の利く人だ。

「でも、そのうち野生に返さなきゃなんだろ?」
「ええ。弟のヤマトが四苦八苦してるよ」
「人間離れさせるのに?」
「ええ、人間離れさせるのに」

 ねぇ、といえば、烏はカァっと鳴いた。意思疎通できるみたいだな、と言った快斗くんに、私もそう思いますとつげる。

「名前とか付けないのか?」
「つけたら愛着沸いちゃうじゃないですか」
「返したくなくなる?」
「かもしれませんね」

 シルクハットに入り込んだ烏は、何かを見つけたようでバタついた。そのままシルクハットから出た先にはヤマトがいる。どうやら少年探偵団と一緒のようだ。少年探偵団を見て、快斗くんが「ゲッ」と声を上げたがなんだろうか。首を傾げたが、教えてくれそうもない。

「そうだ!アキ!ちょっと頼みがあんだけど!」
「はい?」
「ちょっとだけ、手伝って!」

 そう頼み込んできた快斗くんに首を傾げる。まぁ、この時は頷いてしまった。簡単な調べ物だったからである。でも、後々に後悔してしまうことになるのは秘密だ。

「とあるイースターエッグについて調べて欲しいんだ!」

 だって、それは。彼の正体を知ってしまうきっかけになってしまったから