The third conjurer05
娘を探してください!
そう言ってやってきた九十九さんかな何事かと思えば、どうやら九十九さんの娘さんが麻子さんに殺されてしまうかもしれないらしい。それは、大変である。そのまま真田さんと共に毛利探偵達と合流する。
とりあえず、ヤマトとさとみさんと繁華街で小さな子供と麻子さんを探すが見つからない。
しかし、路地裏からハイヒールの音が聞こえ気がして立ち止まった。首を傾げた二人にこちらから探してみる、と告げる。麻子さんの顔は知っているのだし、大丈夫だろう。
そのまま二人が走ったのを見て路地裏に入った。路地裏にはいると薄暗い世界が広がっていた。
何処からか会話が聞こえる。男性と女性の声だ。
そのまま物音を立てないようにそちらを見ると、そこには男女がいた。女性は子供を背負っている。その奥にいる人物には見覚えがあった。
「……高遠さん?」
そうポツリ、とこぼした言葉は静かな路地裏で響く。こちらを向いた二人、その時初めて、女性は麻子さんだったと気づいた。仕方ないので二人がわかるように出ると、麻子さんは動揺したように、高遠さんはクスリと笑ってこちらを見た。
「こんばんは、アキ」
「……何をしているんですか? こんなところで」
浮気ですか、と、言葉を吐きかけてやめる。そんなことを言っている暇ではない。でも、棘を含んでしまうのは仕方がないのだ。高遠さんはそれすら面白そうに笑う。
「いえ、何も」
「麻子さん、文乃ちゃんは寝てしまったんですね。帰りましょう? みなさん心配しています」
そう促してみると、麻子さんはちらりと高遠さんを見た。高遠さんは私の言葉に少し目を瞬く。そして、その隙に文乃ちゃんを抱えて麻子さんは走り出した。呆気にとられる反面、なるほど、と思う。
「邪魔してしまいました?」
「少しね。まぁ、彼女は一度は欺いているし、多少の助言をしただけだ」
その発言に、私は目を瞬いた。手招いた高遠さんによれば、高遠さんはそのまま私を抱きしめた。
「久しぶりですね、アキ」
「はい、」
「元気そうで何よりですよ」
そう言って私の頭を撫でた高遠さんにホッとする。緩んだ顔を見せないように高遠さんの胸に顔を押し付けた。
「しかし、アキがどうして三好さんと?」
高遠さんの問いに、「今日知り合いました」と告げる。
「今日?」
「最近、真田一三さんと知り合ったんですが、奇術団に勧誘されて……行くつもりはないんですが、ヤマトを人質にとられてしまい見学を」
「なるほど、賢い手段ですね。しかし、いつ知り合ったんです?」
「九十九元康さんが亡くなってすぐぐらいでしょうか」
「聞いてませんよ」
その言葉に、高遠さんをちらりと見上げてみる。眉間にしわを寄せている。
「……私だって三好さんと知り合いだったって知りません」
そうムッとして告げれば、高遠さんはまた笑った。
「浮気していませんよ。彼女はマジシャンの友人です」