Where is Dyle??04
ドイル、と焼却場に向かって言葉を投げかける加納さんに反応したらしいドイルが起きたらしい。キョロキョロと周りを見た後、灰原の腕の中から飛び降りて加納さんに向かって行った。
「ドイル!?」
「リビングのスピーカーの中で眠らされていましたよ」
アキが告げた言葉に、コナンが若干反応したらしい。
「スピーカーの中で?」
「ええ。自力で入り込むのは無理だと思います。誰かが何かのために閉じ込めたのでは?」
そういったアキに、愛犬家の土佐林さんがアキを疑わしげにみる。
「なら、貴女が一番怪しいんじゃない? みんなと一緒にいなかったし」
「心外です。私はダイニングをお借りして、人形の修理をしていただけなんですが……それに、なぜ私がドイルを?」
「あら、売り払うつもりだったんじゃないの?」
「売り払う? ドイルを? どうして?」
「どうしてって、この犬には数百万の価値があるのよ?」
「え、そうなんですか!?」
パチクリ、と目を瞬かせたアキに、そういやその会話はアキは聞いてなかったなと思う。どうりで可愛いらしいワンちゃんだと思いました、と加納さんが抱き上げているドイルを見た。コナンが呆れた表情をしている。
「でも、私はドイルを手に入れなくともお金はあるほうですよ。動機がありませんし、私がドイルを隠すならもっとわかりにくくしますが。私の予想では、ドイルに価値があったのか、ドイルに付属する何かに価値があったのか、それともドイルを人質ならぬ犬質にするつもりだったのか、の三つなんですが、一つ目に当てはまってしまいますね」
「ねぇ、アキ姉ちゃん、ドイルに付属する何かって何?」
「それはね、コナンくん。首輪とか、犬の服とか、リードとか色々だよ。この家にあるのはアンティークの物が多いから、犬がつけていてもおかしくないでしょ?」
アキの言葉に、加納さんがあることに気付いたらしい。ドイルの首元を触ると、ハッとしたように口を開いた。
「首輪がない!」
「首輪が?」
「ええ、ドイルの首輪は祖父がフランスから取り寄せたアンティーク物なんです!」
「じゃあ、犯人は首輪を狙ったから、ドイルを隠しちゃったの?」
「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないね。私は探偵じゃないから、判断はできないよ」
「いや、首輪ならここにあるよ」
コナンが何かを焼却炉からひっぱりだしてくる。首輪のような何かだ。加納さんが確認すると、確かにそれは首輪らしい。
「なら、愉快犯でしょうか。からかうつもりだったとか?」
「でも、僕はアキ姉ちゃんの仮説が正しいと思うんだ!だって、びっくりさせるなら隠すだけでもいいんじゃないかなぁ。それにこの首輪、きられた後があるよ!」
「ほ、ほんとうだ」
「だから、犯人はこの首輪の一部を持って行っちゃったんだ!」
そう言ったコナンにアキがなるほど、と言葉をこぼした。
「まぁ、捜査は小さな探偵さん達に任せましょうか」
「ちょっと、小さな探偵ってこの子達のこと?」
「えぇ。でも、彼らはイタリアの強盗団が隠した金貨を見つけたり、警察の捜査に協力したり、と中々優秀みたいですよ?この間のバスジャックだって、この子達の協力があって犯人が確保されたとか」
アキの言葉に、俺たちに、疑わしげに目を向けてくる土佐林さん、すごいんだね、と言ってニコニコしている加納さんにクリスティの飼い主である蓮木さん。どこか焦っているような綱島さん。……なんで焦ってんだ?
ちなみに、少年探偵団を見れば得意げである。とりあえず俺はコナンの近くに寄り、コナンに話しかけた。
「なんかわかったか?」
「いーや、……なんでアキさんはドイルがスピーカー裏にいるってわかったんだ?」
「なんか話を聞くに、和室から聞こえたと思ってたあの鐘の音がリビングから聞こえたんだと」
「リビングから?」
「そ。アキはダイニングにいたからな、和室の位置は反対だし、リビングのオーディオには使われた形跡もあったし……で、人が隠したならスピーカーの中にいるかもしれねーってことでスピーカーをはずしたら、眠らされたドイルがいたんだ」
「なら、犯人はオーディオを使ったわけだな。そこに青い座布団はなかったのか?」
「青い座布団?なかったと思うぜ」
「じゃあ、和室に戻した可能性があるな……」
「単刀直入に、俺は綱島さんが怪しいと思うんだけど」
「俺もだよ。あきらかに焦ってる」
「よな、って、わ!」
グイッと引っ張られたと思えば、アーサーが俺を引っ張っていた。
「またお前かぁ!アーサーぁ!」
しょうがないとわしゃわしゃしていれば、アーサーがまたじゃれついてくる。それにクリスティも加わってきた。
「ちょ、二対一は卑怯……」
地面に尻餅を着くが、二匹はまだじゃれついてくる。アキがそれを見て、ふむ、と何か考えていたようだが、構われる俺は知る良しもなかった。