Farewell of --大阪城の事件簿01


 俺、飯塚ヤマトは毛利探偵達に連れられて大阪、なう。アキは数カ月前からマジックの修行にイギリスに行っている。高遠も同時期に消えたのでなにか巻き込まれてやいないかとヒヤヒヤとしているが、高遠がなにか起こすとすれば香港――中国なので大丈夫だろう。最終的には、もうすぐ帰ってくるわけだしパスポートをみれば何処の国にいたかなんて一発でわかるのだ。
 アキが家にいない、とのことで毛利探偵の家に転がり込んでいる俺だが、一緒に大阪にも連れてこられるとは思っていなかった。つーか、同じように転がり込むなら是非ともアガサ博士の家が良かった、とか思ったり。まぁ、こうなったのはアキと蘭さんが偶々あったという偶然がそうさせたので、しかたがない。毛利家にいる間はできるだけ掃除や皿洗いなど手伝いをするようにはしている。

 ってか、俺、部外者じゃん。大阪とか西の高校生探偵フラグじゃん。毛利探偵もアガサ博士に預けてくれればいいのに連れてきてくれるし、西の高校生探偵側も了承するし。なんでや工藤。せやかて工藤。

「その、服部さんって人は剣道が強いんだ」
「まぁ、自信満々に決勝どうのこうの言うくらいはな」
「つーか、いいのかよ。俺までお呼ばれして」
「いいんだよ、了承されてんだから」

 そう言ったコナンにため息をつく。ついた会場でタクシーから降りて、ぐるりと回りを見渡した。うーん、人が多い。蘭さんが誰かを見つけて手を降った。和葉、ということは西の高校生探偵の幼なじみというところだろう。
 何処か焦っている和葉さんいわく、殺人事件が起きてしまったため服部さんがいないのだとか。しかも、決勝も始まっているとのこと。コナンの死神レベルやべぇなと思いながらジト目でコナンを見る。なんだよ、と不服そうにされたが。
 事件現場であるプールの更衣室へ向かうと、何かに気づいたコナンが和葉さんの手を引いて走りだす。体育倉庫に何かあるんだろう。

「っんの、毛利探偵か、警官一人くらいつれてけよ!」

 そう言って俺は近くの警官の手を引いてコナンの後を追った。まぁ、そこではもう服部さんによって犯人はのされており、俺が連れてきた警官によって犯人は御用になったんだけども。ちらりと会場を見ればもう試合は終わっていたようで。

「あぁー、くっそ、ちょっと剣道興味あったのに。試合見たかった」
「お前、ホント多趣味だよな」
「うるせー。おれはこの前で自分の身は自分で守るもんだと実感したんだよ」
「はぁ?」

 そう、露西亜館で痛感したことだ。俺は普段アキに守られている。癪だが、高遠にも守られている。コナンのように不思議道具を持っているわけでもない俺が、どうすれば大人や犯人に対抗できるか。なにか武道を身につけるしかない。そうすれば、アキの心配も少しは減るはずである。

「お前は麻酔銃とかあるだろ。俺はないんだよ。だから、剣道がどんなもんかみて、できそうだったら剣道をしようとおもってたんだ。護身術にな」
「ほぉ、それはいい心がけやな」

 後ろからかけられた声に振り向く。後ろには西の高校生探偵こと服部さんがいた。

「お前がヤマトか?」
「おー、俺が飯塚ヤマト。なんか俺まで呼んでくれてありがとうございます」
「かまへんかまへん、どうせ工藤と二人で大人一人分やからな」

 確かにそうだろうな、と思いながら、コナンを見る。コナンがどこか焦ったように、西の高校生探偵の手を引いた。いまさらコソコソしてもだな。しかも、なんだ、一応、俺に隠すつもりではあったんだな、お前。

「ヤマトはコ、コ、コナンくんの友達なんやろ?」
「なんか不自然だから、別にコナンのこと『工藤』って呼んでいいと思うぜ。そういうアダ名なんだろ。理由も聞かねーし、別に人のあだ名の理由とか知りたくねーよ」

 そうフォローを入れといてやると、コナンはきょとんとして、服部さんはニカリと笑った。おお、周りにいないタイプの年上である。金田一とはまた違う兄貴タイプだろうか。

「おお、そうや、俺はコイツのこと『工藤』よんでんねん」
「俺はなんて呼べばいいんだ?服部さん――であってるんだよな」
「あってる、あってる。西の高校生探偵こと服部平次とは俺のことや。服部さんでも平次さんでも好きに呼び」
「じゃあ、平次さんで。よろしく」
「おう、」

 握手を交わした後、またコナンと平次さんが何か話していた。剣道について聞きたかったが、一旦無視したほうが身のためか。