Farewell of --大阪城の事件簿03


 初・大阪城なう。和葉さんの説明に目を輝かせていれば、「ヤマト君は楽しんでくれてるもん!」との言葉を頂いた。うん、城とかって結構好きだからな。専門外だけど。ちなみに俺は雑賀孫市が好きだ。勿論、某ゲームの影響で、だが。和歌山城に是非ともいかせてくれ。

 変な集団には会ったが、大阪城見学も無事に終わり、お城を出た所で、和葉さんが財布をなくしてしまったのに気がついた。ということでまたもや大阪城に逆戻りする。平次さんと和葉さんはお互い喧嘩腰だ。関西弁だからそう聞こえるのか、それとも、この二人の性分なのか。幼なじみってなんでくっつきそうでくっつかないんだ?金田一然り、平次さん然り、コナン然り。いや、最後のは姿の問題があるけど。
 カメラを買ったお店で探してくる、とかけて行った蘭さんと和葉さんを見送り、男四人で傘に入る。むさぐるしい。そういや、折り畳み傘もってなかったけな。かばんを漁ると出てきた傘。とりあえずジト目で見てきたコナンと二人で入った。

 ――ボン!!
 不意に聞こえた爆発音と、悲鳴にそちらを見る。大阪城の上で、人が燃えていた。落雷、ではない。落雷なら、燃えることはないはずだ。

「おいおい、嘘だろ」

 そう言っている間に落下してくる人。とりあえず、コナンに続いてそちらへ向かう。落下地点では燃えている人間がいた。上着を利用して火を消すが、中々消えないソレ。左近寺の時は消火器を使っていたな、と、運よく近くにあった消火器を手に取る。

「コナン、平次さん、どいて!」
「ナイス判断や、ヤマト!オッサン、救急車!」
「ああ、わかった!」

 消火器のピンを抜き、燃えている人へ向かって放つ。しばらくすると、白いソレとともに鎮火されたが、酷いヤケドのようだ。3度――重症やけどだ。命が、危ない。痛覚は殆ど無いはずだ。ほぼ全身のそれ。確実に命の危険がある。

「おい、大丈夫か!?何があったんや!」

 平次さんの問いかけに何か反応を示す。まだ反応を示しているなら、助かる余地はあるはずだ。しかし、喋れないのを考えると呼吸器がダメになってる可能性はある。なにか口を動かした後、口に手を当てる。呼吸を、殆どしていない。

「ちょっと痛むけど辛抱しろよ!」

 とりあえず、気動を確保する。男が傘を持った。何かのメセージだろう。ゆっくりと落ちていく手。意識がなくなったのかもしれない。呼吸が止まったのを見て人工呼吸を始める。助からない、だろうが、やらないよりはマシだ。この人は生きてた。死体ではなかった。ならば、生きてほしい。毛利さんが心臓マッサージを始める。助かれ。左近寺よりはマシなはずだ。途中で平次さんの呼びかけにまた少し答えたそれに、まだ命があるのだと眉間に皺を寄せた。
 救急隊員が到着する。

「多分、3度の火傷が全身にいってる」
「よーここまでもたせたな!後はおっちゃん等に任せ!絶対に救ったる!」

 そう言って搬送していった緊急救命士及び消防隊員はカッコ良かった。緊急救命士もいいかもしれない。遅れて来た警察に場所を譲り、コナンを見る。

「殺人じゃなくて残念ってか?」
「そんなわけねーだろ、バーロー。つーか、おまえ、よく人工呼吸とか思いついたな」
「まあな。目の前で人が死なれちゃ困る。発見した最初から死体だったらまだ許容できるけどな」

 そういいつつ、先程まで被害者がいた場所に移る。骨折はあんな高さから落下したのだから仕方がない。平次さんが刑事さんとなにか話している。

「あの人、上半身のほうが火傷がひどかった。上半身が3度の火傷、下半身が2度から3度の火傷ってところだ」
「……お前、どこでそんな知識手に入れたんだよ」
「最近のもっぱらのブームは法医学と医学なもんで」
「さよか……で、他には?」
「そうだな、細かく見れてねーけど、片腕から着火って感じだな。左手より右手のほうが火傷が酷い」
「右手?」
「爆発音からして、何かが爆発して着火したんだろうが――それを多分右手に持ってた、ってみるのが妥当じゃね?」
「ほぉ、さすが飯塚龍一の息子やなぁ」

 後ろから聞こえてきた声に肩を揺らす。後ろには平次さんがいた。

「ええやん、俺も混ぜろや」
「しゃーねーなぁ」
「とりあえず、上に何かあるんやろ?見に行こか!」

 そう言った平次さんに俺とコナンは顔を見合わせる。いやな予感がするのは気のせいじゃない。