奇術師愛好会殺人事件06
アリバイ調査をはじめたコナンに、俺はアキと一緒に行動していたと告げた。土井塔さんがアキを呼び止めた為、アキをおいてコナンと一緒に行動することにする。海外のマジシャンやマジックのトリックの会話が始まってしまったからだ。俺はマジックについては見るだけなので無知の領域である。
「コナン、なんかわかったか?」
「いーや、お前は?」
「全く。俺含め結構全員アリバイはアヤフヤだしな。アキにヒント貰ったんだけどなぁ」
「アキさんに?」
「うん、まぁな。犯人は知らないっていってたけど。ボウガンがなければ成立しない犯罪だって」
「どういう意味だよ?」
「俺に聞かれてもわかるかよ。ただ、ボウガンがなければ成立しない犯罪だっていうのは襲撃云々じゃなくて、不可能犯罪の方だと思うぜ?」
「不可能犯罪の?」
「あぁ、」
そう言えば余計に考えこむコナンに、俺も思考をはじめる。ボウガンじゃなければ成立しない。銃や刃物では成立しない犯罪。「矢を飛ばす」ことに意味があったのかもしれないが。なぜなら、普通に飛ばすなら銃弾も飛んでいる。
「なぁ、お前の姉ちゃん、園子のマジックについてはなんか言ってなかったか?」
「うん?ああ、確か、失敗したのは、浜野さんの責任じゃないって言ってたぜ?……おい、そうなると、今気がついたが浜野さんの殺人は計画的、ってことになるよな」
「あぁ、そしてこの事件の犯人は、」
「この中にいる」
コナンと目を合わせて頷く。
「ただ、その責任云々の意味も、不可能犯罪のトリックもわけわかんねーし、襲撃事件も全くだからな……アキがすぐわかるってことは、どっちかと言うと奇術めいたトリックだろうしな……そういや、コナン、不自然じゃなかったか?」
「不自然?」
「田中さんがボウガンで襲われた時。窓が割れてから遅れて矢が壁に突き刺さった。それを踏まえると、窓が割れる要因と矢が壁に突き刺さる要因は別だと思う。それに、矢の角度がおかしい。あの窓の割れた場所から射った矢があそこに突き刺さるわけがない」
そう、角度も違うし、タイミングがずれている。だが、窓が割れた原因になるものはあの場所になかったように思う。それを聞いたコナンが俺を見て口を開く。
「お前、本当に変なところに気づくよな」
「うるせーよ。理数系なめんな……まぁ、こんなところではなしていてもわかんねーことだらけだし、ここを見て回ろうぜ」
「それもそうだな、荒さんに頼んでみるか」
そう言ってニヤリと笑う。犯人を絞ってやろうじゃねぇか。飯塚ヤマトの名にかけて、なんてな。