奇術師愛好会殺人事件08
「謎は全て解けたようですね」
そういいながらヤカンに火をつけたアキに、まぁなと返事をする。
「まぁ、解説は俺じゃなくコナンの仕事だし俺は一足早く仕事おわりーって感じだな」
「この場で殺人が続くかと警戒しましたが、そうでなく安心しました」
ほっと息を吐くアキに、金田一は同じ場所での連続殺人多いもんななどと違う考えが浮かぶ。連続殺人、では一応あるのだが。アキは、それにしても、と言葉を続けた。
「コナン君はまるで探偵ですね。はじめちゃんみたいだ」
「コナンは探偵だぜ? 少年探偵団の実質リーダーだしな」
「探偵、ですか。探偵さんは難儀ですね。いく先々で事件が起こります。これじゃ、歓迎しない人もその内出てきそうですね」
「ははは」
否定できねぇ、と思っていたら、コナンの悲鳴が聞こえ、たくさんの人が走る足音が聞こえた。間をおいて窓ガラスが割れたおとがする。
「はじまったみたいですね」
だなんていいながら、火を止めるアキにやっぱコイツ犯人とか全部わかってたのか、と感じる。そこから走ってきたコナン達に、アキは眉を潜めて「どうかしたの?」と尋ねた。曰く、コナンが狙われたそうで。そこからは同じくコナンを追って走る。しばらくした所でコナンは蘭さんに捕まったが、園子嬢を眠らせることで推理ショーの開幕を告げた。
ボウガンを持って、アキと蘭さんが推理ショーから離れる。うん。アキを選んで正解だと思うぜ。ベランダから顔を出した蘭さんとアキに、俺は樹の根元に立って手を振る。
「この樹の根元だよ、アキ、蘭さん!失敗してもやり直せばいいから!」
そう告げると、アキは蘭さんを見てからボウガンを手に取った。蘭さんが「みんなどいて!」と叫ぶ。しかし、アキがボウガンを放つ前に土井塔さんが止め、代わりにうつことにしたらしい。アキがちょっと不服そうなのは気のせいではない。というか、土井塔さん、いつの間に移動したんだよ。
土井塔さんによって作り出されたヨットのマストのようなそれ。これが不可能犯罪のトリックだった。真ん中の紐をつかって、死体にみたてた布団が庭に落下する。まるでロープウェイだ。そして、最後に紐を切るのと同時に、もう一本の矢を飛ばす。すると、紐は裏庭から消え去った。地面に後をつけずに。あとは簡単だ。犯人に怒ったふりをしてトリックに使ったボウガンの矢を回収。アリバイ作りようなものとして、オモリ、紐、ホッチキスを使ったトリックとボウガンをつかって、自作自演をしただけだ。あのマジックだって、園子嬢に渡したのは書けないペンである。そう、犯人は浜野さんが最初から一人になるように仕向けたのだ。それでもなお足掻く犯人――田中さんに、コナンは決定的な証拠を突きつけた。
「貴女のブーツの中に……矢の後端にヒモの輪がついたもう一本の矢がね!」