恐怖の館事件(4)
コナンが引っ張り込んだ歩美ちゃんの背中をさする。そりゃあ、小1にはこれは怖いよな、と思いつつ宥める。通り過ぎていった女性ははっきりと言って不気味である。俺だって1人で会ってたらガチビビリする可能性は否めない。歩美ちゃんの手を引いて、女性を追うコナンを追いかけて見る。
「いない!?」
しかし、誰もいないそこ。お化け説は否定しておこう。あんなものはお化けではない。
そして、コナンの使った道具をみて一言。
「お前って、ガチでチートだよな。マジで小1かよ」
「その言葉、そのまま返すぜ、ヤマト」
「じゃあそれをまた投げてやんよ」
「……?」
首を傾げた歩美ちゃんに、二人で苦笑いを浮かべた。コナンのサスペンダーによりあいた扉。でも、これって確か二人ぐらいがやっと隠れれるぐらいしか隠れる場所がなかったような気がする。あれ、俺って死亡フラグ?
階段を降りると牢屋を見つけた。なにも、牢屋を作らなくてもいいと思うし、髪やヒゲぐらい剃ってやれよとも思う。かわいそうな男だな、と思っていると、また誰かやって来たようで三人でロッカーの後ろに隠れた。
向こうで話し始めた言葉を右から左に聞き流す。途中落ちてきたモップをキャッチするが、バケツが落ちるのは防げなかったようで盛大な音を立ててバケツは落下した。うるせぇ。
そこからは原作通り、コナンが推理を聞かせ、逆上した奥さんがコナンを押さえつける。押さえつけられたコナンに助け舟を出したのは息子だったし、何もかもを認めて一件落着、というわけだ。
「まぶし……」
外に出てみれば、もう朝であったらしい。朝日がさしていて、一夜明けたのかと苦笑いをする。ぐーすかねている光彦と元太を見つけて、外に放置は嫌だな、と呟けばコナンが乾いた笑いを浮かべた。
「あれ、あそこに誰かいるよ」
「え、あ、本当だ」
「げ、アキ」
屋敷の門の外にはニコニコと笑っているアキがいる。隣に高遠はいない。
「ヤマトくんの知り合い?」
「俺のねーちゃんだよ」
アキが草むらを分けてやって来た。
「冒険は楽しかったですか? 少年少女諸君」
「ははは、」
「ヤマト、言うことは?」
「黙っていてすいませんでした」
慌てて謝れば、納得したようでアキは光彦と元太を揺すり起こした。そしてそのまま、持っていたphsで他の四人の親に連絡を入れる。
「もう少ししたら、迎えがくるので待っておきましょう」
「うわー、ぜってー怒られる」
「これに懲りたら、保護者を連れて冒険したらいいんですよ。お昼に。なら、誰も文句はない」
「正論だなー……」
俺の言葉に、アキは貴方も同罪だよと告げる。そしてやって来た親に散々怒られた四人。これで懲りるわけがないよな、と思いながら帰路についた。