恐怖の館事件(終)
「遅いお帰りだったね」
ダイニングでコーヒーを飲んでいたらしい高遠がこちらをちらりとみていった。絵になるな、くそう、とか、帰ってなかった=お泊まりしてたのか!とか眉をひそめる。アキは俺の分の朝食を用意してくれるらしい。そういえば、phs借りたままだよな、と思いつつカバンを探って差し出した。
「これ、さんきゅ」
「いいえ、一度も使わなかったでしょう?」
「まぁな、使う暇がなかったというか……」
「まぁ、それでいいんですよ。これには別の役割がありましたからね」
「別の役割?」
首を傾げる。役割ってなんだ。意味ありげに笑った高遠に、眉間に皺を寄せる。
「とりあえず、お土産話に耳を傾けましょうか」
そう言って少し身を乗り出した高遠は、いつの日かコミックで見た地獄の傀儡師に本当になるのだろうか。そんな風には思えなくて、小さく目を瞬かせてしまった。