血溜ノ間殺人事件(05)
殺人容疑者なう、である。チラリとみた現場には星くんの生首が置いてあった。もうちょっと置き方あったんじゃないかなだなんて思ってしまうのは、高遠さんのせいだ。唯一証明者がいない私のアリバイ。証明できる対戦相手の人は、私の部屋に星くん云々という非常に不利な証言をしているわけだ。
「不利すぎて笑いそうです、はじめちゃん。むしろ、もう、笑います。ふふふふ、」
「いや、笑ってる場合じゃないぞ」
「今時点の剣持警部やはじめちゃんの見解は?」
そう尋ねてみれば、私が星くんの学ランを着ていたこと、対戦相手の人が、私の部屋に星くんがいた気がする発言、アリバイ証言がないこと。客観的には怪しすぎるという見解である。
「証明できるもの、が、ないんですが。昨日、はじめちゃんと剣持警部に罵声を浴びせたでしょう?」
「おう、」
「その後、倒れてる星くんを見て駆け寄ったんです。その時点では彼は生きていた。その後、背後から誰かになぐられたんだと思います――で、気を失って気づけば部屋で星くんの学ラン羽織ってました。なぐられた証拠は頭の傷としか……」
「ちょっとまてよ、アキ、それ大丈夫なのか?」
「実を言うと、まだ頭がズキズキします」
どこ、と美雪ちゃんが頭を触って、ある一点を触られた時に顔をしかめる。美雪ちゃんが血が出てる!と言ったことを見ると、まだ出血しているらしい。
「おいおい、救急車呼ぶか!?」
「多分、大丈夫ですよ」
「私、包帯や消毒液借りてきます」
そう言ってかけて行った美雪ちゃんに、申し訳ないなと思う。
「……なぁ、アキ。アキもオセロをリバーシっつったよな。アレはなんで?」
「教えてくれた方が、リバーシと教えてくれたので」
「へぇ、そうか」
そう言って思考に嵌ったはじめちゃん。美雪ちゃんが包帯を持ってきて、頭に巻いてくれた。