月夜のワルツ-5-


 学校に向かう途中、音がなった携帯に目を落とす。差出人はアキである。僕の部屋にいるという連絡だろう。しかし、開いてみると。

「学校? なんでまた」

 そう、行き先は学校である。彼女の通っている学校、といえば小学校だ。こんな時間に行く必要は――。
 ざわり、と、嫌な予感がした。
 そう、今の時点で、僕が予測を立てた犯人ならば。これが、アキが打ったメールではないのならば。
 ――この学校は、僕の通う高校になるのである。

「アキ、!」

 思えば、そうだ。どうして、アイツは僕のいない間に、アキに近づいたのか。そして、どうしてあの子を事件に巻き込んだのか。
 高校に駆け込目ば、誰もいない。ただ、校庭には人影が見えた。気づかれないように近づき、櫓を燃やそうとした彼に声をかける。

「……やはり、そう来ましたか。死神マジシャン」

 内心の焦りを、悟られてはいけない。おそらく、それを見せれば、見せるほど相手は喜ぶにちがいない。僕はポーカーフェイスでいなければならない。

「お前は、高遠遙一!」
「よかった! ラストショーに間に合って!」

 そう櫓を見上げる。

「その中には藤枝先輩の身体が隠してあるんでしょう?」
「……!?」
「明日、櫓が解体される前。今夜中に必ずこれを燃やしに来ると踏んでいた。――さて、始めるとしましょうか。死神マジシャン。マジックホラーショーの種明かしを」

 そう告げれば、犯人は焦ったように僕を見た。